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近衛予備隊-254 [高校生バトル-68]

 大統領選挙に向けての演説会を前に、俺達は王国から近い新設校を視察した。

「私達は年少の子を見てたのだけど、遊びの延長みたいな感じで英語学習に取り組んでたわよ。
 校長は観光客が増加してるエリアだから、親にも英語の重要性を説き、読み書きは英語に一本化したそうでね。」
「う~ん、母国語での思考力が未成熟なままだと問題なのだが、そのまま英語を母国語とすれば良いのかな…、一応、幼い子への英語教育はゆっくり行う様に指示して様子を見てみるか。」
「ええ、個人差が有るから簡単には判断出来ないものね。
 校長は私達が一つの案として提示していた、観光客と触れ合う機会を具体化してみたいと話してけどどう?」
「ああ、俺も聞いたが、近くの飲食店を潤わせる意味も有るから試してみて良いと思う。
 試してみないと実際のメリットやデメリットが解らないからな。」
「ジョンは十二歳以上の子達を見て来たのでしょ、そっちはどうだったの?」
「王国に合併される話が出てるエリアだから、その件について色々聞かれてね。
 あの一帯も王国主導でそれなりにインフラ整備を進めて来たからか、子ども達は王国の一員になることに希望を抱いていると感じた。」
「学習に関しては?」
「英語学習をすれば収入の良い仕事に就けると教えられ励んでるみたいだった、つまずいてる子もいたけどね。」
「十二歳になって初めての学校と言うのはどうなのかしら?」
「十二歳ではそれほど抵抗がない様だったが、もっと年長の子達は戸惑いも有ったそうで、まあ、色々話しを聞かせて貰えて良かったと思う。
 十八歳での学校入学を機に住民登録した人は大統領選挙で俺に投票すると言ってくれたよ。」
「今まで戸籍や住民登録はかなり適当だったけど、彼らはどう受け止めているのかしら?」
「細々と生きて行くのが当たり前だと思っていたのが、近くに新しい職場が出来て住人の生活改善が進んでいる、そんな話しを聞いても自分とは無縁だと考えていたのが義務教育の推進で一気に身近になったそうでね、住民登録をしてまともな国民になれたと話してた。
 英語を話せる様になって稼げる仕事に就きたいともね。」
「年齢的には義務でなくても、上の年代にも学校への入学を勧めたのは正解だったのかな。」
「学校へは昼食前後だけだが、働く時間は変えて無いと言ってた、それなりに大変だろうが自分の意思で学習に取り組んでいる、そう言う人達のことは応援して行きたいね。」
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