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近衛予備隊-160 [高校生バトル-58]

 先生の話を聞いてる間に、香菜は調理していた子に声を掛け俺達が試食出来る様、パスタを仕上げてくれた。

「これはお世辞抜きで美味しいね。」
「YouTubeでジョンが茄子を使った料理を美味しそうに食べてたから、ちょっと茄子を貰って来てアレンジしてみたのです。」
「環境の整った台所では無いのに火加減とか難しくないの?」
「ふふ、その辺りは父の直伝なのですよ。」
「おっ、一子相伝なのですね。」
「ルーシー、そんな大げさなものでは有りません、でも一子相伝なんて言葉を知ってるなんて意外でした。」
「単にルーシーがアニメオタクなだけよ、でも日本語学習を考えたらアニメは少し微妙なのよね。」
「何処がです?」
「普通の人が使わない言い回しが出て来るでしょ。
 私達が日本語に慣れない頃はそこで戸惑ったのだけど、教えてくれる日本人がいなかったらルーシーは今でも、ルーシーでござる、なんて言ってたかもよ。」
「それを普通の日本語だと教えてしまう意地悪な人を知ってますが、教える人によって随分違って来ますよね、父は調理を論理的に教えてくれますが、母は感覚的なのです。」
「人それぞれだからな、自分は論理的に教えて欲しいし論理的に教えたい。
 香菜は教える教師によって生徒の学力に差が出て来ると思う?」
「どうでしょう、学ぶ側の姿勢にもよると思いますが…、先生、そもそも学力の定義が遠江王国と日本では違って来てるのですよね?」
「ああ、そうだな。
 ジョン、大学入試を目指す能力ばかりが重視されていた日本の教育に対して、我が国では学んだことを活かせる能力にも重きを置くべきではないかとなりましてね。
 遠江大学が中心となって教育の見直しがなされているのですよ。
 ただ、教師の資質による格差は、王家の運営する高校生バトルと言う通信教育みたいな取り組みでカバーしています。」
「成程、高校生バトルはプリンセス詩織に教えて貰い自分達も随分お世話になりました。
 通信環境が整ってさえいれば、世界中どこにいても同じ講師の講義を受けられますからね、無料の代わりに入るCMも自分にとっては有益な情報です。」
「まだ日本語中心で、英語に関しては今後充実させて行くそうですが。」
「それでも、既に英語でのネットワークが広がっていますし、近衛予備隊の隊員達はプリンセス詩織に対する憧れも有って日本語に興味を持ってる子が多いのですよ。
 村立の学校でも施設を充実させ、活用して行きたいと考えています。」
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