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近衛予備隊-28 [高校生バトル-45]

「それなら是非ともお兄さんを紹介して貰わないとね。
 この国のことはこの村の周辺しか知らないから町がどんなだか良く分からないのよ、治安の状況によっては施設の防犯対策を強化しないと行けないし。」
「隣村が目立つと良からぬ輩に狙われる可能性が有るのですね。」
「国としても観光の目玉に出来ないかと考えてくれて警察は協力的なのだけど、警察も疑って掛かるべきだと話す人がいるの。」
「お金持ちが違法行為をしてもお金の力で何とかなってしまうと叔父さんから聞きました。
 そんなお金持ちがここへ来ることは有りませんでしたので私達には関係ないと思っていたのですが。」
「人が集まる所に金儲けのチャンスは有る、と考える大人が少なからずいるのよ、うちが買い取った土地に勝手に小屋を建てて商売を始める輩とかね。」
「商売か、この村で商売しても儲からないから店は伯父さんが経営してる一軒だけだものな。」
「儲からないって?」
「伯父さんの店だって、商売と言うより村を代表して買い出しに行ってる様なものだとか。」
「そんなレベルなのね、あなた達はこの村を変えたいと思ったことは有る?」
「そんな発想は無かったな…。」
「この辺りの人達は色々なことを受け入れていると言うか、あまり欲を感じられないのよね。」
「欲ですか…。」
「良くも悪くもね、お金持ちに多いのは欲望の塊、必要以上にお金を欲しがって人を蹴落としてでもお金が欲しいみたいな。
 でも、ここの人達は生活に余裕が無いのだけど、不満は無いのでしょ。」
「俺達は他を知らなかったからね、友達がいればそれで満足してたかな。」
「町へ働きに行くことになればシャルロットと離れ離れになることは気にしてたのでしょ?」
「うん、自分にとっての大問題、でも先のことだと思ってた…。」
「ジョンでさえ、その程度にお気楽と言うことは他の連中は何も考えてなさそうね。」
「でも、近衛予備隊に入ってから考えることが一気に増えたとみんな話してるよ。」
「それは良い事だと思う?」
「多分ね…、ただ、前は欲しい物なんてそんなに無かったんだ、欲しくなる様な物の存在を知らなかったからね、店がオープンしたらどうなるのかな。」
「メアリー、給料の使い方を皆で考えないとダメじゃない?」
「そうね、教官とも相談しておくわ、お金に関する学習や給料を計画的に使うことを学ぶ必要が有ると、ただ、真面目に働けば昇給するのだから、欲しい物を手に入れる為に、より仕事を頑張ると言う発想も有るのよ。」
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