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バトル-238 [高校生バトル-24]

「アルトバルって、のどかで良い所よね。」
「雅は気に入った?」
「そうね、映像では見てたけどやっぱ実際に来てみないと、ただ、蠅が…。」
「遠江王国では衛生面を強化して来たが、ここではそう言った発想が弱いからな。
 今日は詩織と二人で同年代の人と交流して来たのだろ、どうだった?」
「皆、YouTubeチャンネルを見てて私達のことを知ってたの、それに引き換え私達は彼らのことを何も知らないでしょ。
 それではずるいと言うことで随分質問させてもらったわ。」
「どんな人達?」
「今日会ったのは遠江王国を国として承認することでアルトバルの宣伝をしようと画策した人達の子弟、裕福な家庭の人ばかりでエリート意識というか階級意識を感じさせられた。
 英語が話せるのも留学に向けてだとかで貧困問題には興味がないみたい。」
「裕福な家庭は使用人を使ってるものな」
「遠江大学の人からは、この国の格差を解消して行くと言う話が出てたけど難しいよね。」
「当分無理だろう、まずは貧困層を少しましな状態にする、と言うのが当面の目標、その過程で色々見えて来るだろう。」
「社会問題と向き合う時は人の心理を考えなくてならないでしょ、遠江王国では我々義兄弟姉妹の読みが当たって意識改革が進み日本国とは違う社会になりつつあるけど、アルトバルでも出来るのかしら。」
「まあ、やってみないとな。
 意識改革が進めば社会改革も進むのだが、日本でさえ遠江王国をモデルした取り組みが党の支部中心に進められていても、なかなか成果を上げられないのが現実だろ。」
「指導者の力量に差が有ると、詩織のお父さまが話してみえたわ。
 この国のリーダーはどう?」
「どんな組織にも有りがちな派閥が存在しているみたいだから難しいだろう、うちとの友好関係を進めることだけは珍しく意見が一致したそうだけど、他の案件は利害関係が邪魔してなかなか進まないみたいなんだ。
 だから、全くの第三者で有る我々が遠江株式会社と言う営利企業として動く方が進み易いかも知れなくてさ。」
「そうね、貧困問題の改善は社会全体の安定に繋がるのに、あの人達の親では期待出来そうにないのかな。」
「社会と個人の関係について少しは話したのか?」
「そこまではまだ、バカンス中に何度も会うことになりそうだから少しずつにしようとね。
 でも、私が話すより、お兄さまが社会の有り方についての講義を映像を通してでもしたら女子中心に意識改革が進むと思うわよ。
 みんな第三王子に会いたいのだって。」
「そうか、スケジュールを調整するかな、将来この国の指導者になるかも知れない人達なのだろ、早い内から洗脳出来たらメリットが大きいよな。」
「ふふ、階級意識は強くても素直な人達、お兄さまになら洗脳されてしまうかもね、簡単に。」
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