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バトル-142 [高校生バトル-15]

「三郎、高校生部会主催のバトルは二市対抗市長選バトルが注目を集めたことで、ささやかなのは成立されにくいかと思ったけど、それなりに決まり始めたわね。」
「真子が市内の公園お掃除バトルを紹介したからだよ。
 髪型を変えたら一段と美人になったと評判だね、大人っぽくなったって。」
「ふふ、恋する乙女ですから。」
「お掃除バトルが盛り上がっている事も有ってYouTubeの視聴回数が伸び、他の支部へ良い刺激を与えることが出来たのは間違いない、バトルスタートが確定したのは掃除ボランティア系が多いからな。」
「バトルとするには無難な活動だと思われたのかもね、実際は準備に時間を掛けた成果なのだけど。
 でも、スタートを初秋にしたのは正解だったね。」
「うん、夏休み中にスタートしたいと言う声も有ったけど、暑さが和らいだタイミングで始まり、雑草関係の作業が一通り終わり始めた段階で落ち葉舞い散る季節、掃除をしてないとすぐに分かってしまうのが良かったと思う。
 バトルの審査担当者を意識してる人達は、何かしたくても綺麗なままではモチベーションが下がりかねなかっただろ。」
「ええ、それと総合公園の草刈りで経験を積んだ人達が企画のスタートで活躍してくれたのも大きかったわね。」
「ああ、朝の作業中心だったとは言え真夏を経験した後の作業は楽に感じ、綺麗になって行くのが楽しいとか。
 亮介は雑草だらけの所を目にすると草刈り機を使いたくなると言ってた。」
「ふふ、盛り上がってるチームでは担当の児童公園だけでなく、その周辺も綺麗にし始めてるのよ。
 参加者が少なかったら大変な作業でも大勢で取り組むとあっと言う間に終わってしまうそうでね。
 子ども達から、あそこも綺麗にしようと言われるがままに作業してたら町が変わり始めたとか。」
「誰が強制することなく、切っ掛けだけを高校生部会で演出出来た成果だと思いたいな。」
「そうね、作業後の楽しみを提案出来たのは大きかったと思う。
 子ども達は大っきいお兄ちゃんお姉ちゃんと遊んで貰えるし、大人達も色々と、市の許可を得て公園の一角にバーベキューとか出来るスペースを作ってしまったチームも有るのよ。」
「前の市長なら許可されなかったかもな、消防団の協力も必要だろ。」
「消防団は協力と言うより率先して自分達の楽しみを増やす為に動いたのよ、団員の確保には訓練後の飲み会を充実させる事も必要だそうでね、飲み屋に行くのも良いけど、天気の良い日は屋外でと言うのも風情が有るのだとか、お酒が入れば関係ない気もするのだけど、飲み屋へ行くよりは経済的みたいなの。
 そんなことも含めて、チームの盛り上がりにはリーダーの魅力が大きく関係してるみたい。」
「盛り上がってるチームには尊敬されるリーダーがいると言うことなんだね、やはりまとまりの無いチームも有る?」
「ええ、すでに児童公園美化バトルで入賞は無理ってチームはほぼ確定してるの。
 でも、そんなチームだけで新たな目標設定を考えたバトルを展開する話がスタッフの中では出てるのよ。」
「上位に食い込めそうに無いチームに新たな目標を作るってこと?」
「うん、そこで上位になれば次回は児童公園美化バトル入賞を目指すと言った盛り上がりに繋がるかもでしょ。
 全然盛り上がってないチームが担当してる公園でも、誰もが前よりは綺麗になってると実感してる、そこからの問題は人間関係みたいね。」
「集団での活動にはどうしても付きまとう問題か、リーダーが優秀だとその辺りの調整が上手く行くのかもな。」
「でね、上手く行ってる所は好循環が出来てると実感したの、綺麗な公園になって嬉しくなった子ども達は、自分達が担当する公園と他の公園を見比べて、更に盛り上がるとかね。
 頻繁に掃除する様になって、せっかく綺麗になったのだから花を植えようと言う動きも出始めたのよ。
 花壇として作られたのだけど、管理する人がいなくて放置され荒れてたところが花壇として蘇りつつ有ったり、公園の片隅に花壇を新設したり。
 お金を掛けずにそれぞれが工夫、公園の花壇を競い合うバトルを展開して行こうって話も出てるの。」
「予算を掛けなくても出来るってことかな?」
「その分手間は掛かるのでしょうけど皆でする作業は楽しいみたい、花も種から育てれば場所と手間は掛かってもお金はそんなに必要ないのよ。」
「そっか、総合公園の近くに確保しつつ有る土地を市民の手でお花畑にと言う案が出てたけど、維持費はそんなに掛からないのかな。」
「公園お掃除バトルの副賞として、お花畑スペースを好きに出来る権利とか有りだと思うわ、花で一杯の市にしたいと言う声を結構耳にしてね、バトルの結果、趣味としての園芸に目覚めた人が少なからずいるみたいなの。」
「思ってなかった副産物だな、町中に花が植えられたら素敵だ、公園の花壇に限定せずバトル、いや、バトルに拘らずに趣味を園芸にした人の欲望を満たせる環境を充実させて行きたいものだな。」
「そうね、市長とも相談してみる?」
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