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バトル-119 [高校生バトル-12]

「次郎兄さん、動画撮影と編集のコツをレクチャーして欲しいとの声が党本部に寄せられてるそうだね。」
「ああ、動画での広報活動は党の戦略として重要な位置づけだからな。
 実際に各支部で取り組んでみたら思ってたより難しいと感じたとか、三郎達のレベルに達するのは簡単ではないだろ。
 今は全支部で制作されたものを党のチャンネルに集約して公開する形でも有るから、こちらでチームを組んでレクチャーして行く体制作りが始まった所だよ。」
「それでさ、ふと、思ったのだけど、ネット上に各支部の集合体、日本の縮図みたいなサイトが出来つつ有るでしょ。
 そこを拡大して党の活動に関係なく各地の宣伝動画もアップして貰ってはどうかと思うんだ。
 個人が個別に立ち上げても注目されにくいけど、巨大なチャンネルになって行けば相乗効果が期待出来る、各支部がそれぞれの特色を出して地域の宣伝をしてくれたら面白いのが出て来そう。
 一つの支部が月一のアップでも全体としてはかなりのペースでアップして行く事になり、閲覧し易いように整理したホームページを構築し広告を付ければ、YouTubeからの収益だけでなく、そちらからの広告収入も期待出来る、始めの内は動画制作のトレーニングを兼ねるレベルで始めて貰っても良いと思うんだ。」
「なるほど…、そのまま大きな収入源になるまで育てて行けたら党の財政も潤うな。
 地元の店や商品の宣伝をして行くことで地方の活性化に繋げる糸口にも出来そうだ。
 問題が有るとすれば…、収益の配分になるのかな、まあ、検討して貰う様に連絡しておくよ。」
「うん、高校生部会へも提案しておくね、各地の動画制作チームでバトルになったら面白いでしょ、動画の出来栄えや視聴回数を競い合ってさ。」
「勿論、収益でもな。」
「ねえ、党員が納める党費の話はどうなる?」
「今の所ボランティアで動いてくれてる人が多いから寄付だけで何とかなってるだろ、金銭的な理由で党員になる事を避けられるより、党費負担なしで党員になって貰い、余裕の有る人に寄付して貰うと言う方向になってるよ、党員が増え寄付も集まってるからね。
 党費負担が無いと党員で有ることが軽くなってしまうと言う声も有るが、高校生や大学生でも気軽に党員登録して欲しいだろ。」
「そうだね、その分、うちの高校生部会は社会貢献を考えてるよ。」
「公園管理の話は進んでいるのか?」
「うん、市の高校生部会が主催、大学生部会が共催の形で、公園の草刈り作業と親睦を深めるバーベキュー、市政や国政についての学習や討論の時間などを上手く組み合わせ負担の少ない形でね。
 タイミング的に夏休みスタートになるから、熱中症に気を付けて作業時間は短めに、市立体育館のシャワーを使える様にして貰ったり、冷房の効いた施設を借りる話しが進んでるよ。」
「そっちの予算面はどうなんだ?」
「草刈り作業の指導や道具の手配は市の負担で、バーベキューの肉とかは高校生部会が動画制作に貢献した分の利益から、野菜は市民菜園利用者や畑を持ってる党員から、現物の寄付になりそうだよ。
 一度やってみて、肉が足りないと感じたらその分は自分達で出し合うことになってる。
 まあ、肉代を稼ぐ為に動画制作を頑張ると言う話も出てるけどね。」
「一年を通しての企画と考えているのだろ?」
「うん、長く続く様にレクリエーション企画もしっかり用意して充実したものにしたいと、出会いを求めての参加も有りだと考えてるんだ。
 違う高校大学に通う人、就職した人達も含めて色々な人に参加して貰う、夏休み以降は天気の良い土日に毎週開催を目標にね。」
「ボランティアと言うイメージを弱く出来ればということだな。
 しかし、草刈り作業は大変だぞ。」
「夏場は特にね、でも家の手伝いで草刈り機を使った事の有る人は、長時間で無ければそんなに苦になるものでは無いと話しててね、みんなに体験して欲しいと話してたよ。
 それでさ、自分達で公園を綺麗にしたら自分達の公園と言う意識が高まり、それが市の一員であるとの市民意識にも繋がると思うんだ。
 秋になったら小学校の高学年にも、あちこちの児童公園清掃を手伝って貰う企画を考えて、公園で遊ぶ子が増えたらともね。」
「強制ではなく自主的に手伝って貰うのは難しくないか?」
「掃除の後は高校生や大学生と一緒にその公園で遊ぶ、小学生にとって魅力的なイベントに出来たらと考えていてね、掃除は短時間で良いと思うんだ。」
「そこには雅も?」
「それは、まだ考えて無いよ、雅が自分で決める事だからね。」
「うん、確かにそうだな…、掃除に参加してくれた子にはお菓子ぐらい上げられる様に予算を考えようか?」
「その辺りはお金の掛からない方法を考えたくてね、市民菜園を高校生部会で借りてジャガイモを栽培し、そのジャガイモでポテトチップスを作ってみるとか案は出てるんだ。
 集団での作業、体験型イベントを通して社会性を養うと言う理由も有ってさ。
 今年に関しては、お爺ちゃん達が管理してくれてる集落の菜園に期待してるのだけどね。」
「自分達が食べる分にしては、やけに広い畑だと思っていたが、三郎がお願いしてたのか?」
「お爺ちゃんは仲間を集め無理の無い範囲でやってるから楽しいって言ってくれてるよ。
 慣れた人の指導で今の所失敗は少なく、集落自体が不審者もイノシシも入りにくくなってるから採れ過ぎるかもって。」
「採れ過ぎてもバーベキューで食べて貰ったり、お菓子の原料になるという事か?」
「今年はね、来年はスイカに挑戦したり果実の苗を植える事も考えてくれてるんだ。」
「その経過も映像に収めてるのか?」
「当たり前でしょ。」
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