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バトル-28 [高校生バトル-03]

「三郎、真子ちゃんが高校生になって学習はどう?」
「姉さんが高一の夏休みまでに進みそうだと教えてくれた範囲を確認してるよ、まだ授業が進んでないから予習を軽くという感じだね。」
「数学は一人で先に進んでるの?」
「うん、なんとか中二の内に高二の内容までクリアしたいかな。」
「三郎なら余裕でしょ。」
「数学バトルで上位に入ってインパクトを与えたいと思ったのだけど、この前の新高校一年生を対象したバトルでは十二位の人と得点が同じ、まだ足りてないんだ。」
「あれは各地の有名進学校に入学した人の挑戦が多かったみたいよ、だから十二位でも上出来、一学年上のエリート相手なのだからね。」
「そっか、それでもインパクトの有る結果を出したかったな。」
「十二位でも充分…、そうね、非公式記録だけど高校生バトルの事務局が証明してくれたら、音楽バトルのプロフィールに加えられるかも、交渉してみる価値は有るわ、名もない公立中学の三年生に負けて発奮する人もいるでしょ、数学以外はどうだったの?」
「英語が駄目だった。」
「英語か~、中二までの英語は全く問題なくても中三の英語には時間を掛けて来なかったものね、真子ちゃんが得意だった事もあって。
 でも、英語なんてテストの点より使えるかどうかが問題だと思うの。
 そうだ、音楽バトルにエントリーする曲、これからは英語の曲を意識して貰おうか。」
「使う機会…、そうだよね、英語で話すとして、そこはまだ学習してませんなんて通用しない。
 下手でも、文法的に間違ってても問題ないから使いなさいと言われた事が有るのだけど、実際に使うことなんて今まで無かったな。」
「英語を話す人との付き合いが無いものね、これから真子ちゃんと三人の時に英語で話す時間を作りましょうか。」
「う~ん、試してみるのは有りかな、姉さんは英語、どうなの?」
「教科としての英語は得意だけど、使う機会が少ないのは三郎と同じ…、でも…、オンラインなら使う機会を増やせるのかな…、次郎兄さんとも相談してみるわ。」
「英会話と英語バトルとは違うのでしょ。
 英語バトルで好成績を収めても、英語で話しかけられて全く応える事が出来なかったらどう?」
「そうね、文章なら理解出来ると言っても、まずは筆談をお願いしたいと伝えられなかったら始まらないわね。」
「自分が実際に英語で人と会話するなんて想像すらしてなかったよ、授業以外では。」
「漠然と将来役に立つのかも知れないというレベルで学習に取り組んでいるのよね。
 微分なんて、宝くじで高額賞金の当たる確率が限りなくゼロに近い事を理解するぐらいでしか役に立たないと大輔さんの友達が話してたけど。」
「本当は微分や積分も色んな分野で活用されてるのでしょ、高校生バトルの先生が解説してたよ。」
「ふふ、もう微分積分にまでトライしてるんだ。」
「ちょっとだけね、でも、高校生バトルの先生方は学習している内容が実社会でどう活かされているかまで教えてくれるから、面白いというか自分の学習してる事が難しくても無駄な事ではないと感じさせてくれる、その辺りが中学の先生との差かな。」
「三郎にそれを受け止める能力が有るという事も大きいと思うわよ。」
「どう、三郎の将来に於ける英語の必要度は高くなりそう?」
「まだ分かんないよ、でも…、英語バトルは使う事より試験対策的な問題が多くない?
 上のレベルは分からないけど。」
「そうね、大学入試を意識して入試の為の英語という意味合いが強いかも。
 高校生バトルの流れ的に仕方の無いのだろうけど。」
「英語の歌で音楽バトルにエントリーするのなら、曲紹介も英語にしてみようか、僕たちのたどたどしい英語に対して、どんな反応が有るのか知りたい気もする。」
「下手で当たり前なのだから…、続けて行く内に上達して行けば良いのよね、台本を読んでますってレベルから徐々に上げて行けば、ふふ、弟の成長を楽しんでくれる人もいるでしょう。
 う~ん、スピーチコンテストとかも考えられないかな。」
「コンテストか…、音楽バトルと同じ様な形式でも良いよね…、課題に対して五分以内でとか、自由なテーマでとか…。」
「テーマは硬くないのが良いと思うわ、公的なのだと真面目な内容ばかりになっていそう、聞き手が楽しめた方が良いでしょ。」
「英語のスピーチだけでなく、日本語でも、そうだなトークコンテストも有りじゃない?」
「日本語で伝える力も大切だものね。
 まとめて次郎兄さんに投げかけてみるわ。
 英語と日本語で台本を書いてみるけど、三郎も余裕が有ったら挑戦してみてよ。」
「うん、文章や言葉で人に自分の考えを伝える能力の重要性は最近強く感じてるからね。」
「不特定多数に向けての発信だと難しさも有るのよね、その前に真子ちゃんとは上手くコミュニケーション取れてるの?」
「真子ちゃんとのコミュニケーションに不安を生じたら、正直に話し合って行き違いが起こらない様にした方が良いって、一郎兄さんに教えられた事を実践してるよ、真子ちゃんも理解してくれて、うちと真子ちゃんちとの違いとか話し合ってる。」
「真子ちゃんに対すつ気持ちは変わってない?」
「うん、ただ好きと言うのではなくて、安心して付き合える様になって来たと思うよ。」
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