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森哲也-02 [F組三国志-05]

 球技大会終わった~、疲れた~。
 でも、バスケは優勝したからな。

「森、お疲れ。」
「おお、省吾、お疲れ。」
「バスケ優勝の功労者は森だよな、哲平。」
「作戦通り行ったもんな、ま、俺も頑張ったけど。
 嶋からのパスを哲平か俺が受け取ってシュート。」
「今日はリズム良く決まったよな。」
「ああ、でも相手はそのパターンに合わせてくる。
 そこで森にパスが通ってシュートが決まる。」
「いや、やっぱ嶋がすごいんじゃないか、誰がよりゴールし易い位置にいるか判断して正確なパスを通して来てさ。」
「確かにな、でも、それを受け取ってシュートを決めないと得点にはならないだろ。」
「ああ。」
「今日の森はかっこ良かったぞ。」
「哲平に言われてもな。」
「はは、女子に言って貰いたいってか。」
「う~ん、俺、失敗したからな、四月はさ…。」
「反省してるって?」
「まあな、この学校なら軟弱な奴ばかりで、偉そうにしてたら勝ちとか思ってた。」
「確かに軟弱な奴は少なくない。」
「まあ言い訳にしかならないけど、うちの両親仲悪くて喧嘩ばっか、八つ当たりもされるから、こっちもいらいらしててさ。
 今も変わらないけど、入学した頃は自分の八つ当たりの対象が出来たって…、俺の勘違いだったけど。」
「はは、それに気付けて良かったと思うぞ。」
「う~ん、中学の頃は喧嘩っぱやい奴が結構いてさ。
 勝てそうにないから大人しくしてたんだ。
 でも、そいつら結構女子にもててさ、俺も高校に入ったらって思ってた。」
「そうなんだ、俺の中学では人気なかったけどな、そんな奴ら。」
「学校のレベルが違うのだろ。
 家では、親を怒らせないように勉強してたし、学校でも大人しくしてたからここに入れたけど、入学してみたら回りは頭の良さそうな奴ばかりだし。」
「なんとなく森のことが分かってきたよ。」
「省吾…。」
「森は家庭のことや、中学での体験もあって…、森を苦手とする人を作ることとなってしまったってとこかな。」
「やっぱ、嫌われてるのだろうな、俺。」
「ああ。」
「お、おい省吾そんなにはっきり言わなくても…。」
「で、森はどうしたい、これから?」
「う~ん、どうなんだろう…、哲平に引っ張ってもらってテストでは思ってたより遥かに良い結果を出せたけど…。
 やっぱ、いらいらすること多いし。
 家を出て一人暮らししたいけど、さすがにな…。」
「そっか、ねえ、気分転換になることって何、森の場合さ。」
「そうだなぁ~、やっぱゲームかな。」
「うん。」
「ただな、達成感を感じる時もあれば、虚しさを覚える時もあってさ。」
「所詮バーチャルだからな。」
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