SSブログ

原崎理沙-05 [F組三国志-05]

「ねえ、理沙。」
「は、はい。」
「俺、理沙のこと、まだ何も知らないけどさ。」
「うん。」
「でも一緒に勉強して来て、一生懸命な人だと思ってた。」
「へへ。」
「俺、女の子と付き合ったことないから、理沙にとって良い彼氏になれるかどうかわかんないけど、良いのかな。」
「私だって…、でも…、でもね…、里美が言ってた…、大地さんをがっかりさせるような女の子にはなりたくない。
 私、美咲さまみたいに美人じゃないけど…、省吾さまと美咲さまみたいになりたい、大地さんと。」
「うん、そうだな、一緒に勉強したり…、でも、梨乃さんたちには悪いことしたかな…、梨乃さんは何となく感じてはいたけど、あやかさんや里美さんが俺のこと見ててくれたとは思ってなかった。」
「私を選んでくれて有難う。」
「はは、女の子たちに囲まれるとは思ってもいなかったから、かなりあせったけどね、う~ん、梶田社長にうらまれるかな。」
「プロジェクト梶田には、これから大勢の参加が有ると思う、梨乃もきっと良い人見つけるわよ。」
「そうだな。」

「あ~、幸せな人たちめっけ。」
「あ、玲菜。」
「聞いたわよ、理沙、良かったね。」
「う、うん、ありがと、で、でもなんか梨乃たちの気持ち考えてなかった…。」
「ふふ、恋愛なんてそんなものよ。
 まあ、彼女たちは省吾さまに、なぐさめのパフェをおごって頂けることになってね。
 ささやかな幸せに浸るみたいよ。」
「へ~、さすが我らがリーダーだ。」
「ねえ嶋くん、プロジェクト梶田の方はどんな感じなの?」
「動き始めたよ。」
「昨日見学に行ってきたばかりなのよね?」
「工場に関しては、まず工場内の整理整頓、昨日の内に問題点をまとめて、梶田社長もすぐ取り掛かると話しておられたからね。
 家まで送って貰ったついでに、リサイクル業者の連絡先とか伝えたし。
 うちの親父とも話していかれて…。
 親父も協力するって。
 俺は、親父から勉強させて貰えって言われたよ。
 学校の勉強より、ためになるからって。」
「へ~。」
「梶田社長は喜んでみえたけど、親父もなんか嬉しそうだった。
 玲菜さんはプロジェクトに興味有るの?」
「そうね、今はチーム赤澤に興味が有るって感じかな。」
「ふふ、玲菜はどれくらい知ってるのかなぁ~、チーム赤澤のこと。」
「えっ、理沙、昨日なにか発表されたってこと?」
「企画がどんどん出て来てるのよ。
 プロジェクト梶田に関連して工房の企画が始まりそうだし、黒川くん達のプロジェクトもね。
 株式会社を設立するって話もあるし、事務所を梶田さんとこの倉庫の一角に置くってこともほぼ決定みたい。
 高山チーフ中心に資本金のこととか真剣に考え始めているって状態よ。」
「そのリーダーが省吾さま?」
「もちろん。」

 省吾さまが社長だとしたら、大地さんが重役になったりして。
 そしたら、私は秘書にして貰おうかな。
 でも、そのためには勉強しなくちゃいけないのよね。
 チーム赤澤は実験的、実践的学習の場でも有るって話してたな、省吾さま。
 チームの活動を通して色々な体験をし、将来に役立てて欲しい、か…。
 それを大地さんと一緒に出来るのなら最高かも。
 美咲さま、いつも楽しそうだもんな。
 大変なことも有るのだろうけど、頑張って大地さんをがっかりさせない様にしなくちゃ。
nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 7

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。