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林徹-01 [F組三国志-03]

 あっぶね~、遅刻ぎりぎりだった~。
 コンビニでのんびりしすぎたな。
 でも、あの雑誌はちょっと見ておきたかったし…。

「おい林、遅いぞ~、ほい、F組通信。」
「おお、サンキュ~、正信。」

 F組通信、いつもながら綺麗に仕上がってるな~、とてもクラス新聞のレベルじゃないぞ。
 毎号、山影さんの絵が添えてあって。
 ここのところハイペースで発行されてるけど大変じゃないのかな。
 哲平は、文章データと絵のデータを、山影さんがちょちょいと整理して、あっという間に完成とか言ってたけど。
 えっと…。

『ノーコンのお知らせ』
 何? 何のことだ?
『テスト二週間前から部活も停止になりますから、それに合わせてテスト対策企画を行います。
 参加はもちろん自由。
 授業ノートは各自がきちんととっているとは思いますが、この機会に他の人のノートの作り方とか参考にしても良いのではという意見が出ました。
 そこで、みんなのノートを見せ合って評価し合う、ノートコンテスト、略してノーコンを開催します。
 コンテストは…。』
 なるほど、各教科ごとにみんなで投票して、上位者の所属チームに団体戦のポイント加算か。
 俺もチームに貢献したいが無理だぞ、俺の字は自分でも読めない時があるからな。
 テストで高得点とって貢献するしかない。

「林くんは問題予想ゲームって得意そうじゃない?」
「えっ、清水さん、なんのこと?」
「あら、まだそこまで読んでなかったんだ。
 ほら、ここ。」
「ああ、これか…。」

『問題予想ゲームをやりましょう』
 これも、テスト対策企画ってことだな。
『やはり自由参加ですが、チームリーダーの了解はとってあります。
 チームごとで、教科ごとに、テストに出そうな問題を予想して発表して貰い、予想した問題の的中率とその問題の配点などで得点を決定します。
 各チームが予想した問題はクラス全員で共有しますが、どのチームからの問題かはテスト終了後の審査が終わるまで、審査員に漏れないようお願いします。
 より厳正な審査のためです。
 なお、審査員は赤澤、秋山の他、外部有識者を予定しております。』

「なるほど、こういうゲームにすれば、自分のチームのためだけでなくクラスみんなのためにもなるってことだね。」
「どう、私のお父さまの発案?」
「うん、これで他のクラスに平均点とかで負けたら恥だな…。
 で、どうして、清水が自慢げなんだ?」
「だって、私のお父さまなんだもの。」
「はいはい、問題予想ゲームの方は俺でもチームに貢献できそうだ。
 えっと、提出期限は…、そうか、リーダーの正信が取りまとめるのではなくて、各チームに担当者か…。
 お~い、正信~。」
「なんだ~、林~。」
「問題予想ゲームの担当、やっても良いぞ~。」
「おう、有難うな~、頼むよ~。」
「ふふ、林くん、やる気満々ね。」
「そりゃあな、数学小テスト団体戦では、淳一のいるチーム麻里子に負けて、哲平のチームに負けてと連敗中だろ。
 今度はビッグイベントだから、ここで勝って借りを一気に返さないと…。」
「返さないと?」
「ずっと二人のパシリになっちまう。」
「はは、三人でそんな勝負してたんだ。」
「しかも、言い出したのが自分だったりする、あのチーム麻里子には絶対負けないと思ってたのに…。」
「ふふ、林くんは、あのチームを外見で判断してたのね。」

 ほんとにそうだ、岡崎、田中、星屋、平岩…、足を引っ張りそうな奴ばかりだと思ってた。
 そしたら、あいつらそれなりに…、星屋なんて二回とも満点で俺より上なんてな。
 次は教科も多いから…、もう、負けられね~。
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