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林徹-02 [F組三国志-03]

 さ~、ノ~コンだ。
 投票用紙は記名式なんだな。
 まずは投票者、林徹っと。
 えっと、各教科上位三名を選べば良いんだな…。

「徹のノートはどこ?」
「あっ、淳一、俺は出してないよ。」
「はは、確かに、あの暗号ノートじゃ人に見せても意味ないもんな。」
「うっ…、じゃあ、淳一、お前のはどこなんだ?」
「教科ごとで出席番号順に左からだから…。」
「お、あったけど、表紙の名前、でかすぎだぞ。」
「まあ、黒川淳一に清き一票をってとこだ。」
「おいおい、選挙じゃないだろ。」
「う~ん、各教科二十冊ちょいってとこか…。」
「見てみるか…。」
「ああ。」

 やっぱ、出してる人たちのはみんな綺麗だな。
 ふ~ん、色をふんだんに使ってる人もいれば、ほとんど使ってない人も…。
 色数が少ない分ポイントが強調されるってことか、でも色分けもそれなりに見やすいかな。
 現代社会、あっ、このノートわかり易い、そうかこの前微妙だったとこ、こういうことだったんだ。
 なるほど…。

「おい、徹、ずいぶん熱心だな。」
「ああ、俺、現社クリアできたぞ。
 ちょっと理解しきれてなかった所、このノートで解決さ、後は暗記だけだな。」
「えっ、俺にも見せろよ…。
 へ~、なるほど…、確かに分かりやすいな…。
 おっ、このノート、省吾&美咲になってる、ご丁寧にハートで囲ってさ。」
「ほんとだ、あの二人の合作か。」
「まいったね。」
「英語も合作みたいだぞ…。」
「どれどれ…。」
「あ~、これって下手な参考書より使えそうじゃないか?」
「確かに、自分の為って言うよりチームメンバーに教える時にさ。」
「ああ、その通りだ…、これコピーとかさせて貰えないのかな。」
「どうなんだろう…。」
「あっ、哲平。」
「おう、ノ~コンの審査中か?」
「まあな、それより、このノートってさコピーとかさせてもらえないのかな?」
「メンバーに教える時、すごく使い易そうだからさ。」
「はは、あいつらが嫌って言う分けないだろ。
 とりあえず師匠たちのノートは全部、各チームに二部ずつコピーしておいたから、後はチームで上手に使ってくれって感じだ。
 後、他のノートでもみんなの役に立ちそうなのは持ち主と交渉するから、早めに言ってくれな。」
「これって、他のクラスの奴らには…。」
「今回はF組以外には流さないで欲しいって、省吾が言ってた。
 まあ二学期以降に関しては、また違った展開が有るかもしれない。」
「そうか、まだまだ色々企んでいそうだな、我らが師匠は。」
「俺もお師匠さまって呼ぼうかな、星屋みたいに。」
「はは、淳一も、門下生ってことか。」
「でも門下生になると、清水のことを、ちさとお嬢さまって呼ばなきゃなんないぞ。」
「はは、俺は構わないが、徹は嫌なのか?」
「う~ん、そうでもないか。」
「じゃあ、門下生の中で誰がちさとお嬢さまに気に入って頂けるかって勝負をするか?」
「そんな哲平有利な勝負、受けられねえ。」
「ははは。」

 清水ちさとか…、元気があってかわいくはあるな。
 おっと、待て、今はテストに向けて集中だ。
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