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ポツンと一軒家-04 [このブログのこと-03]

「山奥に本社って、番組の中でも特殊な話でしょ。」
「ああ、番組では老人たちが自給自足度の高い生活を送っている姿がベースになっている。
でも、普通に薪を使っている家が出て来るのは嬉しいというか。」
「都市ガスは無理なのね。」
「有り得ないな、でもプロンパンガスという選択肢は有る。
ただ、亜紀は知らないだろうけど、薪ストーブというのが静かなブームになって来ていてね。」
「へ~、どうして?」
「味わいが有るし、灯油ストーブの嫌な匂いがしない、ガスストーブの様に一気に酸素を消費する事がない、手間は掛かるが気持ち的にも暖かくなれるのかな。」
「手間は掛かるのでしょ。」
「煙突掃除が一番面倒かな、薪自体は普通に売られているし、趣味程度で済むなら薪割りも良い運動になるのかも。」
「間伐材を利用してるの?」
「杉とかの間伐材は薪ストーブには不向き、ゆっくり燃えてくれないと薪をくべる手間が掛かるからね。」
「それは残念、林業がお金にならなくなって植林地の手入れが行き届かなくなっているのでしょ。」
「まあ、大変な作業だからな。」
「いまいち大変さが分からないのだけど。」
「まず、植林地のほとんどは斜面なんだ、急な所も多い。」
「そう言われみれば、平地の森って…、見た記憶がないかも。」
「昔は平地が有ったら稲作、棚田を造ってでも稲作が基本だったからな。」
「そっか、お米を作れない様な斜面で林業なのね。」
「昔は機械化されてなかったから、植林地の手入れが大変だっただけでなく、切り倒した木を人力で運んだりしていてね、急な山道だから危険なんてものじゃなかった。
番組でも写真で紹介していたけど、人間業ではないレベルだったよ。
それでも、木材価格が良かった頃は頑張れたのだろう。
実際に事故は多かったと思う、今でも林業は他の産業に比べて事故率が圧倒的に高いからね。」
「高齢化も進んでいるのでしょう?」
「機械化が進み始めて少しはマシになっているのかも知れないけど、森林の所有者はお年寄りが多いからな。」
「綺麗な森を守って行くのは簡単な事ではないのね。」
「昔はお爺さんが植えた木を切って生計を立て、孫の為に木を植えるという様な感覚が有ったのだろうが、今ではね。」
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