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改革-04 [シトワイヤン-29]

到着時こそ、姫さまの訪問先にするべき国ではなかったのかも知れないと思い不安だったが、後は王国の時とあまり変わらなかった。
両国民に対する配慮から、スケジュールは王国と差の無い様に組まれていて、我々も二つの国を比べる様な発言はしない様に心掛けた。
舞姫さまの祝福、人々は初めての体験に戸惑いながらも、胸の前で手を組み感謝している。
通訳によればテレビでも姫さまに対し否定的な発言をする人はいないそうで、姫さまの祝福をどう表現したら良いのか困ってはいるものの、宗教関係者から表立った発言はないと言う。
まだ戸惑っている最中なのだろうか。
警備の堅さに少し窮屈な思いをしたが、姫さまは王国から別の飛行機でやってきたハヤブサと遊ぶ時間を取ることが出来た。
また現地のラクダに、ふわりと宙に浮いて乗る姿は周りの人を改めて驚かせ跪かせた。
ラクダの方は、何となく嬉しそうに見えたのだが、私にラクダの気持ちは分からない。

「姫さま、舞の時以外で宙に浮かれるのを初めて目にしました。」
「そうですか、清香村では時々ふわふわしていたのですよ。
村人が見晴らしの良い大木の枝に休める所作って下さいましてね。
小鳥の為の巣箱を掛けた枝、リスと遊ぶ枝とか幾つか有るのです。
鷹匠用の腕カバーを頂いたので、今まで少し距離を置いていた子達と遊べる枝も用意して頂こうかしら。」
「同じ枝では不都合なことが?」
「猛禽類が飛んで来たら、小鳥やリスは寄り付きません、弱肉強食なのですから。」
「あっ、そういうことでしたか。」
「和馬さん、歴史上、人間も弱肉強食でしたよね。」
「はい、力有る者が弱き者を食い物にして来ました。
世界を見渡せば今でも、低賃金で働かざるを得ないというのは食い物にされてる様なものです。」
「国家間の所得格差については、どう見ています?」
「価値観の相違が有って簡単な話では有りません。
我々の価値基準からすると不幸に思える環境で有ったとしても、実は日々の暮らしが充実しているのだとしたら、幸福度という観点で捉えると低所得は必ずしも不幸ではなく、所得が少なくても物価が安ければ問題なく生きて行けます。
高額所得者でも日々不満を漏らしていたり、遺産相続で揉めていたのでは幸福度が高いかどうか怪しいですものね。」
「でも健康で文化的な生活、アフリカからはそれと程遠い映像が送られて来ますが。」
「所得の格差以前に、無秩序という印象を受けます。
子どもを沢山産んで、運よく生き残る事に託す草食動物みたいな。
アフリカの子どもを救えとかやっていますが、救ったら、飢えに苦しむ子ども達が将来多く誕生するだけのことかも知れません。
根本的な対策が必要でも、それをするだけの能力が無かったり、バカみたいに内戦をしている国が有って。
難民の問題も有り対策は必要なのでしょうが、もし、本格的な支援をしたら人口が一気に増えてしまう可能性を否定出来ません。」
「そして食糧不足という事ですか…。」
「綺麗ごとでは済まされない現実が世界の至る所に有り、地球市民改革は簡単なことでは無いのです。」
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