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黒猫組-11 [化け猫亭-21]

「高川さん『猫桜』は五店舗体制になって勢いは増すばかりですね。」
「ああ、部屋を猫桜ブランドで統一してる人が増えつつ有り、それに伴うリクエストがかなり届いてるって、理佳ちゃんは知ってた?」
「リクエストですか?」
「自分が日常使ってる商品を『猫桜』特製パッケージで販売して欲しいとか。」
「成程、それには応えて行くのですか?」
「まあ、メーカーとの交渉次第では有るが、どんな企業とでも、とやってると猫桜会のイメージが悪くなるだろ。」
「猫桜ブランドを守る…、でも、今時そんな企業は有るのですか?」
「減ってはいるが無くなった訳ではないんだ、そして黒猫組が重視している問題でも有る。
『猫桜』に関わってる全員が満足出来る労働環境下で働いている、そういうブランドを目指しているからね。」
「人件費を考えると、会社の利益が少なくなりそうですが。」
「猫桜会は貧困世帯を減らし安定した収入の中流層を増やす事が一つの目的、だから会社は赤字にならなければ良いのだが、猫桜ブランドは薄利多売と真逆の高級店として定着しつつ有って十分な利益が出ているんだ。
猫桜会が認めた商品として箔が付く猫桜ブランド、猫桜会以外の企業でも、品質や労働環境に問題が無ければ取引を広げて行くから、扱う商品も増えて利益が上がっていくだろう。
リクエストに応じて、衣類や家具のオーダーメイド販売も始まる、売り切る商品も五店舗になったおかげで限定販売数を増やせた分、仕入れ値が若干下がり利益に繋がっているよ。」
「売り切ると言えば、和牛一頭が一店舗一日で売り切れてるのには驚きました。」
「松坂牛の日は松坂牛しか販売しない、各地の和牛が日替わりだから、食べ比べをしている人も多いそうだ、豚や魚も同様、高級志向の店として定着しつつ有るみたいだね。」
「数量限定はこのまま続けるのですか?」
「さすがに牛二頭は難しいだろうが、他は問題はなく限定数を増やして行けそうだよ、売り切れまでの日数を予測して次の商品を用意している、黒猫組の担当幹部は抜かりなくやってるよ。
限定商品以外の物は品切れにならない様に、でも四季の変化やイベントに合わせてパッケージを変えながら、一部の商品はコレクターがまとめ買いしてるそうだ。」
「パッケージが違うだけで中身はどこでも売ってる商品ですよね。」
「楽しんで頂けるのなら良いじゃないか、このまま店舗を拡大出来ればメーカーサイドも嬉しいだろう。」
「店はもっと増えるのですか?」
「大都市圏とは違う形態の店も、試験的にオープンすると聞いてる。
地方都市で牛一頭は難しいだろうからね。
まあ、黒猫組が考える全国展開を化け猫組を始めとする猫桜会で後押しして『猫桜』を日本のトップブランドにして行くつもりだよ。」
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