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猫田組-10 [化け猫亭-15]

「桜さん、ついにチューリップ組誕生なんだね。」
「高川組長はご不満なのですか?」
「なんかな、猫田組はやくざの組織を模してる部分が有るだろ、白猫組の下部組織は、幼稚園のクラスみたいじゃないか。」
「実際、猫桜会チューリップ組は保育関係をまとめたものですから。」
「で、チューリップ組の活動は?」
「保育関連の施設が増えましたので、全体を統括し調整して行きます。
人の配置に無駄や無理が出ない様、今まで以上に、そうですね、京都支部で働いてる人が希望すれば実家の有る広島支部へ転属という事も視野に入れています。」
「広島にもチューリップ組の事務所を置くのか?」
「いえ、広島はまだ猫桜会猫田組の広島事務所という形で黒猫組と白猫組が運営しています。
男性の多い黒猫組と女性メインの白猫組で、地方事務所もバランスが取れているのですよ。」
「しかし、地方事務所までしっかり目が届くのか心配だな。」
「それは否定出来ません、まだ出所者組員のいる事務所は少ないですが、受け入れて行きたいと考えている人は地方にも多いので。
一応、黒猫白猫が協力しつつも互いに悪い方向へ行かない様に牽制し合うという構図を描いてはいます、事務所の長は猫又組の組員がネット上で務めていますし。」
「所属が違う事のメリットとデメリットはどうなんだ?」
「目の前で起こった出来事をそれぞれの上司に報告する事で、広島事務所担当は色々な角度から検討できます、彼らの上司は全員名古屋に居る訳ですが、問題が有ればすぐに情報を共有し解決策を検討出来ます。
チューリップ組組員の不満をチューリップ組の担当者が聞き、不満の解決に白猫組の力が必要ならこちらで調整します。
勿論、効率は悪いと思いますが優秀では無い人も受け入れるというのが猫桜会の姿勢です。」
「どんな人にも生き甲斐を、だったな、藤井組長は何時も真っ直ぐな目で話す、先日のテレビ出演は良かったよ。」
「ですよね、もう恰好良すぎて、ビデオを繰り返し見てしまいました。」
「毎日、ご本人を見てるのだろ?」
「妻として、夫の晴れ姿は嬉しいのですよ。」
「君も出てたよな、何時もより表情が緩んでいたが。」
「今が人生で一番幸せな時ですもの、白猫組のシングルマザー達も、子どもが出来るまでは夫が一番だったと話してました。」
「う~ん、そこから、離婚する人としない人に分かれるという事か…。」
「みたいですね、私は捨てられない様に頑張るだけです。」
「そんな感じなのか、そろそろ彼の欠点とか見えて来る頃だろ。」
「ふふ、直すべき所は些細な事でも話しています、彼は素直なんですよ、私の行動で戸惑う事も有るみたいですが、それも受け止めてくれています。」
「夫婦の会話は大切だからな、で、亭主関白か、かかあ殿下かどちらになりそう?」
「今はバランスの取れた状態で互いに尊重し合う形です…、課題としては適度に喧嘩が出来るかどうかです、喧嘩するほど仲が良いとか言うじゃないですか、でも好き過ぎて喧嘩が出来ないのです。」
「はは、それは大きな課題だね。」
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