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高松加奈-24 [化け猫亭-10]

「加奈さん、お店の準備は進んでるのかい?」
「はい。」
「お客さんに満足して貰う店ってのは難しくないのか?」
「でしょうね。」
「何か他人事みたいだが、大丈夫?」
「暫くの間、客は身内が中心となります。
うちのスタッフは自炊しないで全員店の客か店員、子ども達の食事も店の調理場で作ります。
調理の上手いスタッフが料理長になりますが、皆で意見を出し合ってメニューを充実させて行くという作戦なのです。
家政婦として派遣するスタッフのお弁当も店で、強制はしませんがスタッフの皆さんは協力的なのです。」
「それはそうだろ、労働条件が良いからな、でも、スタッフの人数も増えて当分赤字なのだろ?」
「家政婦派遣やお店、保育園に掛ける費用は回収までに時間が掛かりますが、ネット部門と私のテレビ関連でかなりカバー出来そうです、小夜はその辺りを見越して動いてくれました。
私の知名度が上がり、ネット関連のアクセス数、フォロワーが増えればCMのギャラも上がるのですよ。」
「そうか、情報の流し方が上手いからか、すでに並みのアイドルに引けを取らないレベル、次のCMは決まったのかい?」
「はい、先回のCMを受ける形の映像で別会社のCMが、坂田さんと飯田さんの遊び心から決まりました。」
「成程、全く関連性のない会社、有るのは常務と社長が友人だと言う関係…、CMの反響を考えたら、飯田さんの部下達も喜んでるだろう。
加奈さんは芸能事務所に所属したの?」
「いいえ、依頼が有れば出ますが、こちらからアピールしていく気は有りませんので。」
「悩ましいよ、加奈さんならテレビでも活躍できると思うのだが…、いや、化け猫亭の客達が動けば簡単に、でも大学や会社が有るからな。」
「少し話は来ているのですよ、ローカルですが、でも、どうして私なのですかね?」
「そりゃあ、お嬢様だから。」
「え~、私だってお嬢様でしょ?」
「あっ、桜さん…。」
「化け猫亭知的美人トップスリーと言われている私達の中で、加奈の人気が急上昇なのは何故かしら?」
「それを私に言わせろと?」
「隠しておいても為にはなりません。」
「分かった、桜さんも美人で人気は有る、でも、加奈さんの醸し出す清楚感はちょっと違うんだよ。」
「う~ん…、清楚ですか…、そう言われると…、それは、私や小夜に当てはまる言葉では有りませんね。」
「テレビでも余り見ないタイプだと思わないか?」
「そっか、私程度はどこにでもいるのね。」
「はは、桜さん、加奈さんはそんな俺達を困らせる様な発言はしないのだよ。」
「うっ、もう加奈の話題に乗るのはやめにしますわ。」
「桜さんの怒った顔も可愛いよ。」
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