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鹿沢桜-03 [化け猫亭-06]

「高校の授業料無償化に続いて大学もですね、そんな予算が有ったのなら今までの奨学金制度は何だったのでしょう。」
「だよな、自分は就職に失敗してないから問題なく返済しているが、苦労してる話を聞いた事が有る。」
「奨学金名目でローンを組む様なのも有るのだろ。」
「考えてみると怖いよな、先の分からない高校生が大学卒業後の生活を信じて借金を背負うのだから。」
「能力のある学生に対して返済の必要のない形が本来の形だと思うね。」
「だな、儂らの時代は頭が良くて経済的に余裕の有る人が大学へというのが一般的だった。
借金して大学へという人は少数だったと思う。」
「今は、大した目的も無く、大卒の肩書を得る為という奴も少なく無いですね。」
「教育に金が掛かり過ぎるイメージから少子化が進行、それを食い止めようと税金を投入ですか。」
「教育システムそのものを見直す必要が有ると思いませんか。」
「岩田さんは、何かお考えをお持ちです?」
「公立学校でも、もっと早い段階から能力別にすべきだと思います、公立だと今は義務教育を終えてからですが、無駄が多過ぎます。」
「確かにそうだ、高校受験を経てようやく自分の力に合った授業…、中学の授業はほとんど必要無かったな。」
「差が有り過ぎですよね、自分が中三の時、隣の子は九九すらだめで、数学の授業は彼女にとって完全に無駄な時間だと思っていました。」
「君にとっては?」
「予習をしてましたので、適当に…。」
「学校での時間を考えると、岩田氏の言う通りだな、桜さんはどうだったの?」
「人の心理に興味が有りましたので小学校の高学年ぐらいからは、暇つぶしに先生や同級生が何を考えているか推察していました。」
「公立の小中学校生活は無駄では無かったの?」
「学習は教えて貰うものではなく、自分で行うものだと母から教えられていましたので、馬鹿げた授業の時は自分のテーマに沿って思索を展開していました。」
「ずば抜けた人達はそうなんだ、自分は半端だったな、変にいらついて…、今思うと無駄な時間を使っていたと思う。」
「授業料の見直しだけでなく教育制度改革が必要か…。」
「中学の時、散々授業の進行を妨げていた奴が、同窓会の時、三流大学に合格したって自慢してた、そんな奴はしっかり授業料を納めて欲しいがな。」
「税金ですよね。」
「自分が大学生の頃と比べると学費が上がり過ぎてる、細かい数字は分からないがざっと十倍ぐらいかな、給料はせいぜい三倍ぐらいだと思うよ。」
「そうでしたか、少なくとも真面目な学生の学費は見直しは遅過ぎるぐらいだったのですね。」
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