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神沢祐樹-134 [高校生会議2-22]

「下平さんの話、面白かったね。
ねえ、祐樹くんは絵美と付き合い始めた頃、社長令嬢って意識してたの?」
「まあね、出会ってすぐに白川社長と話したし、絵美と付き合う事の意味を考えたよ、それなりの覚悟が必要だったからな。」
「でしょうね、金田社長の所とは規模が全然違うものね。
それにしても、下平さんがあれだけの話をされたという事は、大門さんから愚痴を聞かされていたのかしら。」
「だろうな。」
「でも、あそこまで性格に問題が有る人達って身近にいないでしょ、下平さんのお話しをそのまま信じて良いのかしら。」
「はは、お話しに出て来る悪役そのものだもんな、話が本当かどうかは従業員募集を始めればすぐ分かるだろう。
金田社長がどうしてそうなったのかは対談の時に分かった気がするが、娘さんに関しては今後の研究課題かな。」
「容姿が今一、頭が悪くて性格最低って、どうなのかしら。」
「お金に恵まれ過ぎてなかったら、性格だけはなんとかなったかも知れないな。」
「同じ社長令嬢でも、絵美の場合、容姿は最高、頭が良くて、性格は…、悪くないとは思うものね…。」
「えっ、私の性格は微妙なのですか?」
「ぜんぜん問題無いよ、絵美は今のままでいてくれな。」
「あ~ん、祐樹くんは絵美に甘すぎるわ、私だったらもっと尽くすのに。」
「はは、でもさ、下平さんは大門さんを高く評価しておられただろ、自己アピールではなく友人の評価を上げたいという心が伝わって来て、何か気持ち良かったな。」
「性格の良さか…、性格の良し悪しって先天的なものも少しは関係するだろうけど、ほとんどは後天的な家庭環境でしょ。」
「そうですね、ここで出会った人達は皆さん素敵な人ばかりでした、豊かな自然に囲まれていると、コンクリートばかりの東京とは違うみたいです。」
「う~ん、否定はしないけど、絵美、それだけでは無いと思うわ、にこにこしてる二人の前では皆、良い人になってしまうのよ。
絵美は東京にいた頃、あまり笑わなかったと聞いたけど。」
「そうですね…、柿川に越して来てから、周りの皆さんが優しくして下さって。」
「はは、祐樹くんがでしょ、それで癒された絵美が今は周りの人を笑顔で癒してるのよ。
性格が変わったんじゃないの?」
「そうでしょうか?」
「自分では気づきにくいだろうな、千恵もだけど、俺達、成長したと思うよ、入学した頃よりも。」
「う~ん、金田社長の娘さんも変われるのかしら。」
「どうだろうね、金田社長次第では今まで通りの生活を維持出来るだろうから変わる必要が無いかもしれない。」
「大門さんの話では、結婚出来なさそうでしょ。」
「分からないぞ、資産目当てという人が現れるかも知れないだろ。」
「それはそれで不幸になりそうな…。」
「千恵は良かったな、性格が悪くなくて。」
「それって容姿が今一って事?」
「そんな事無いさ、社員達に可愛がられているだろ。」
「でも、年上過ぎて…、私は目の前の仲良しカップルに刺激され過ぎてさ…。」
「移動後の明後日辺りから、社員の家族や現地の高校生会議メンバーとの交流も始まる、まあ、色々頑張ってくれよ。」
「そうね…、頑張って祐樹くんと比べない様に気を付けるわ。」
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