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神沢祐樹-56 [高校生会議2-14]

「絵美、企画書の案が出来たから目を通してくれるか。」
「はい、私は参考になりそうなサイトを整理してみました。」
「うん、見てみるよ。」

「祐樹さま、柿川で行われるイベントで何時も流される曲、柿川市のテーマソング的なものを作るのですね、でも良い曲が出来るでしょうか?」
「そこが一番の問題だな、一曲に絞る必要は無いから皆に声を掛けようとは思うが、う~ん、絵美は作曲とかした事ないの?」
「音楽の時間に少しだけです。」
「俺もだ…、ねえ、明るい民謡調にするなら陽旋法だったかな?」
「はい…、使える音が少ないという制約が有ります…、でも、逆に作曲し易いかも知れませんね、試してみますか?」
「そうだな、うん、やってみよう。」
「では、私の部屋で…。」

「陽旋律はソラドレミソでしたね、ピアノで弾くと…。」
「シンプルさが良いかも、先に条件を決めておけば作り易いかな…。
明るい曲調にして速度は…、スキップするぐらい、絵美はスキップ出来る?」
「出来ますよ~、…、ほら。」
「はは、ぎこちないな~、スキップは、こう、軽やかに…。」
「ふふ、スキップの上手な高校生というのも微妙です。」
「そうかな、まずは子ども達が楽しく歌ってくれる事を想定して、歌詞もシンプルにしたいね。」
「民謡っぽい言い回しにはしなくて良いですよね。」
「ああ、そっちは後で考えようよ。」
「ではテーマは、チャイコフスキーさんからお借りして…。
音を変えて…。
…、こんな感じで如何ですか?」
「そうか、無から生み出すのは大変だけど…、それだけ変化させると原曲が何だったか分からないね。」
「歌詞が難しいのですが。」
「そうだね、ちいさなストーリーが有って、でも語感が大切か…、こんな感じはどうかな…。」

「…、子どもってそんなに腹ペコなのですか?」
「野を駆けまわる子ども達はね。」
「祐樹さまの詞は楽しいです、何か自然に出て来たという感じですし。
言葉に合わせてメロディを調整してみましょうか。」
「ああ、少し窮屈な所が有ったのと、言葉のイントネーションに合わせたいね。」
「録音しながら色々試してみます。」
「うん、思ってたより楽しいな。」
「はい、とっても…。」

「…、ほぼ即興で、いい加減に作った割には、まあまあの出来になったね。」
「ええ、この手順ならまだまだ作れそうです。
違う年齢層の方をイメージしたものも作ってみたいです。」
「そうだな、サンプルとして簡単に作ってみるか。」
「はい、では…。」

「…、もう直ぐ昼食だね、形が出来たものは、食後にでも恵子さんに聴いて頂くか?」
「ええ、でも、お母さまは恵子さんとは違った呼び方にして欲しそうですよ。」
「う~ん、微妙なんだよね、おばさんなんて失礼な気がして、自分が奥さんとか呼ぶのも変な気がするし、それで、どの様にお呼びすれば良いのでしょうか、とお聞きした訳だけど…、どうお呼びすれば良いのだろう?」
「もちろん、お母さんですわ。」
「それは…、私はお前の様な子どもを産んだ覚えは無い、とか言われたりしないか?」
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