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神沢祐樹-37 [高校生会議2-12]

「祐樹さま、お待たせしました、食事の用意も整った様です。」
「では祐樹くん、食堂へ行こうか。」

「味はどうかな?」
「美味しいですね、昼はイタリアン、夜は和食、今日は贅沢な一日です。」
「沢山食べてね、高一の男の子がどれぐらい食べるのか知りたいわ。」
「はは、体の成長と運動でそれなりの量は必要です。」
「こうして四人で食卓を囲んでいると家族が増えたみたいで…、ね、お母さま。」
「そうね…、祐樹さんのご家族も一度お招きするか、ご挨拶に伺うかしたいわね、どうかしら?」
「うちへ来て頂いても母がおろおろするばかりだと思います。」
「では、招待させて下さいね。」
「はい、お願いします。」

「ではそろそろ、会社設立に向けて絵美の話を聞かせて貰うとするかな。」
「はい、お父さま、まずは祐樹さまと、お付き合いの有るお店との関係を整理する所から始めて行きたいと思っています。
ポスター写真の依頼を下さった方と相談し継続的な契約を結んだり、祐樹さまが売り上げアップに貢献してこられたお店とも、きちんとした契約をした上で今後の活動をご相談させて頂けたらと思います。
それを、雇用した高校生と共に行ったり、お任せしたりと出来れば岩崎高校生会議の趣旨に沿う事になると思います。」
「そうだな、祐樹くんを上手く演出出来れば大きな利益に繋がるだろう、祐樹くんはどう思う?」
「そうですね、親しい女性の友人が出来ましたから自分のファンは減ると思います。
でも、起業に関する案内の中でしっかりとした方向性を示す事が出来れば、社会貢献に繋がる事業展開が出来るかも知れません。」
「何か考えが有るのかね?」
「はい、自分のファンクラブなんておこがましいのですが、作らせて頂こうと思います。
それを通してグッズ販売をして行きたいのですが、そのグッズは障害の有る方の作業所で作って頂こうと思うのです、一部分だけでも。
グッズなら数量限定での販売とし易く在庫を抱えるリスクが少ないです。
作業所としては安定した仕事が欲しいのですが、出来る作業に制約も有って簡単では有りません。
数量限定グッズなら、調整し易いと思います。」
「なるほど、それなら高校生の企業として好感を得られる、自身のファンクラブで試してからグッズ制作事業を充実させるということか。」
「はい、様々なアーティストに話を持ち掛ける事が可能だと思います、商品の質が良ければ、作業所の環境を良く出来るかと。
簡単な事では無いでしょうが協力して下さる方は少なく無いと思います。」
「そうだな、障害者雇用はうちでも進めているが、障害の程度によって限界が有る。
しかし…、君はそう言った団体の人とも交流が有るのかな?」
「はい、市民コーラスの活動で知り合った関係者の方から財政面の愚痴を聞かされた事が有ります。」
「そういった活動は色々して来たのかね?」
「回数は多くありません、ちなみに今度の子どもの日には歌のお兄さんになる予定です。」
「どんなお兄さんなのか見たいわね、絵美。」
「はい、私は見られないのですか?」
「テレビのローカル番組が取材に来るそうだから、三秒ぐらい映るかも。」
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