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神沢祐樹-28 [高校生会議2-11]

「この後はどちらへ行くのですか?」
「俺は先輩を手伝いに行く、絵美は千恵の友達と合流して趣味のコーナーとかを見て回ると良いよ。
今日は高校生会議の紹介という程度だから深く考えずにリラックスしてね。」
「はい…。」
「さあ、絵美さん、こっちよ…。」

「祐樹すまんな、噂の彼女と来てるのだろ。」
「大丈夫です、俺と一緒ばかりでは彼女にとって良くないですから友達に預けて来ました。」
「さすがだね~、その余裕が有るから人気が…。」
「先輩、俺は何をすれば良いのですか?」
「あっ、ああ、しばらくしたら会場内を少し回ってからここへ戻って来てくれるだけで良いんだ。
今いる客は祐樹にくっついて来た人達という訳なんだよ。」
「はぁ~、客寄せですか、まあ内容が硬いから…、では展示を見ながら、ほほ~、とか、ふむふむ、とか言っていましょうか。」
「はは、頼むわ。」

「祐樹くんよ。」
「ほんとだ、生の祐樹くんは、更にかっこいいわね…。」

「祐樹くんはこういう事にも興味が有るのですか?」
「えっ、ま、まあね、市政改革は俺達の日常に直結する事だろ。」
「うん、千景さんが頑張ってくれてるよね。」
「でもさ、市街地再開発には時間もお金も掛かるのよ。」
「確かにそうだ、市民の協力を得られたとしても簡単ではない、君も興味が有るんだね。」
「自分の住んでる所の問題だから、でも難しい事は分からないわ。」
「揉めてるの?」
「引っ越したい人と引っ越ししたくない人がいるんです。」
「君はどっち?」
「そりゃあ、綺麗な所に引っ越したいです、でもお婆ちゃんは住み慣れた所が一番って。」
「君は優しいんだね、確かに、その辺りが再開発事業の難しい所なんだろうね。
ただね、君が結婚して子どもが出来て、その子が成長した時に、今の狭くて見通しの悪い道路のままだったらどうだろう。
次の世代へ良いものを残して行くのは、今を生きる俺達の使命じゃないのかな。」
「は、はい。」
「祐樹くんってホントにかっこいい、外見だけじゃないって聞いてはいたけど。」
「はは、照れくさい事言わないでくれよ。」
「私も写真を撮って良いですか?」
「はは、すでに後ろの人達が撮ってるから、君だけ断る訳には行かないだろ。
バックには市街地再開発計画の文字を入れてね。」
「噂の絵美さんはご一緒じゃないのですか?」
「今は部活の友達と回っているよ、俺と一緒だと落ち着かないだろ。」
「でもお二人一緒なら私達も遠慮しますよ。
祐樹くん達を生温かく見守る会、私も参加しますね。」
「えっ、何、それ?」
「ご存じないのですか、会長は千恵さんって優香ちゃん情報で広まっていますよ。」
「はは、あいつら…。
まあ、宜しく頼むよ、君ともこれからは岩崎高校生会議の仲間になるんだよね。」
「は、はい、嬉しいです、宜しくお願いします。」
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