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鍵山昇-10 [高校生会議2-04]

春休み、井上さんに誘われて参加した会には、名前は知っているが会うのは初めて、つまりシステム上だけでやり取りして来た人達が集まっていた、ただ女の子が多目で…。

「鍵山くんって思ってたイメージと違ったわ。」
「えっ? どう違うのですか?」
「ふふ、もっと根暗でダサい感じの人かと思ってた。」
「あ、あの…。」
「服も似合ってる、自分で選んだの?」
「い、いや、あの、妹が選んでくれて…。」
「へ~仲良いんだ。」
「はい、自分とは違って社交的で可愛い妹です。」
「ねえ、鍵山くんのプロフィール写真ってあれは女の子を寄せ付けない為だったの?」
「えっ? あ、あれは…、去年の四月頃普通に写したのをそのまま…。」
「そうなの、今と全然違うじゃん、写真の人とは一緒に歩きたくないけど、今の鍵山くんとなら有りよ。」
「はあ、でも僕は話とか上手じゃないし…。」
「ふふ、私の理想は話をうんうんって聞いてくれる人かな。」
「鍵山君は、私達の要望にしっかり応えてくれてた、真面目な人柄はシステムを通しても伝わって来るものなのよ。」

この日僕は生まれて初めて女の子達から沢山褒められた気がする。
まあ戸惑いはしたが楽しいひと時だった。
ただ珍しく女の子達と話した事によって、改めて井上さんの存在は自分にとって特別だと思った。
ずっと僕の事を認めてくれて、褒めてくれたり、励ましてくれたり…。
それが自信に繋がった気がする。
面と向かって話す事に以前ほど緊張しなくなったとは言え、可愛らしい笑顔にはドキッとさせられる事が多い…。
もうすぐ高三、今まで彼女という存在は自分と無関係だと思っていた。
でも…。
妹以外の女の子で話の出来る数少ない女の子…。
異世界惑星企画の正式スタートは近い…、このタイミングで…、告白…? 僕が? 誰に? 井上さんしかいないだろ…。
こんな事相談出来る人は…、井上さんしかいない…、ば、馬鹿か、そんな相談出来る訳ないじゃないか…。
あ~。

あっ、井上さんからメールだ。
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