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鍵山昇-01 [高校生会議2-04]

僕が岩崎高校生会議の遥香システム研修を始めたのは高二の夏休み。
久兼リーダーを始めとする第十七支部のスタッフ達の研修が有る程度進んだタイミング。
遥香システムには興味が有った、天才少女がその構築の中心にいたという事だけでなく、一早く導入した会社に勤めているお父さんから色々聞かされていたからだ。
実際触れてみると、基礎的な部分は簡単だが応用まで本当の意味で使いこなすのは少し難しい事が分かった。
それでも何とかなりそうな気はしている…。

「鍵山、遥香システムはどう、君なら極める事が出来ると思うけど。」
「あっ、久兼くん…、奥が深そうだね、このシステムは。」
「ああ、でもこれからは趣味でも使って貰おうと思ってる、お堅い内容ばかりでは研修が進まないだろ。」
「と、言うと?」
「鍵山の趣味は生かせないかな、皆が遥香システムに慣れる為に。」
「う~ん…、システムってデータベースの意味合いもあるでしょ、だから…、笑わないでくれるなら話すけど…。」
「それって笑う用意をしとけって事か?」
「…、頑張って笑われない様に説明すると…、バーチャル王国として岩崎王国が動いているでしょ。
お遊びの世界でもバーチャルの…。」
「バーチャルの?」
「異世界の星を構築出来ないかと思ったんだ。」
「地球ではない星か、具体的にどんな事を思い描いてる?」
「架空の世界を一つ作り上げる、そこを舞台にしてライトノベルや漫画が描かれたら、読み手は基本的な世界情報が統一されている事で背景の理解が早くなるだけでなく、より親近感が湧くかも知れないと思ったのだけど。」
「一つの世界観を作って、複数の作品で共有するという事かな。」
「そんな感じ。」
「面白いね、かなり大変な事になりそうだけど、それだけにシステム研修として有効だね。
どう、運営リーダーかスタッフとして取り組んでみないか?」
「リーダーというのは苦手なのでスタッフとしてなら…。」
「じゃあ頼むよ。」

久兼くんは恰好良い、公認の彼女が三人いるのにアイドル並みの人気だ。
その彼が自分の案を真面目に受け止めてくれたのは嬉しい。
彼に話して二時間後には翌日スタッフ会議を開くからと連絡が有った…。
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