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久兼剛太-01 [高校生会議2-01]

俺は久兼剛太、高校一年生になったばかり。
住んでいるのは柿川市、所謂地方都市だが特殊な状況にある。
人口が減少していた地方都市、そこに十年ほど前から岩崎グループの企業がオフィスや工場、倉庫を移して来た。
地価が安い割に交通の便が良かったからだが、地方分散型の経営による地方の活性化も目的の一つ。
だから若い世代が東京に憧れ過ぎない様に、若者にとっても住み易い町を目指している。
そんな事情が有って人口の五十%ぐらいが岩崎系列会社の社員か家族。
父はその岩崎系企業の重役。
そして姉は…。
高校に入学して改めて姉の人気の高さを思い知らされた。
自分の存在が久兼優子の弟として先輩方の間にすぐ広まり、姉が男子生徒から姉御と呼ばれていると知る。
弟から見ても普通に美形だと思うし、そのさっぱりした性格は、姉弟喧嘩の原因を作って来なかった。
自分が中学に上がる頃には、きちんと俺の人格を認めてくれていて…、そうなると子どもながらに尊敬せざるを得ないと感じていた。
そんな流れが有って…。

「剛太も岩崎高校生会議にスタッフ参加するのか?」
「うん、父さんや姉さんから色々聞かされてきたからね。」
「私の弟という事で注目を浴びちゃっているけど大丈夫?」
「はは、しばらくしたら落ち着くでしょ、中学の時より凄くて圧倒されてるけど。」
「うちのクラスでも剛太のルックスは話題になってるからね、好みじゃないのにしつこいのがいたら報告なさいよ。」
「大丈夫だよ、自分で何とかするから。
それより新人スタッフになったら何を担当するの?」
「私としては新人勧誘を考えているのだけど、どう?」
「勧誘か…、理由は?」
「剛太に誘われれば可愛い女の子がスタッフになってくれる、すると可愛い女の子目当ての男子が入って来るでしょ。」
「そんなに簡単に行くかな。」
「だめもとで良いのよ、明日の会議ではそんな事が議題になるわ。」
「分かった、前向きに考えてみるよ。」
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