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岩崎高校生会議-29 [高校生会議-19]

岩崎国際同盟発足の発表は多くの人を驚かせた。
バーチャル王国がリアル国家友好の象徴になる、勿論先例はない。
情報を知っていた岩崎王国の関係者は落ち着いていたが、支社長達は今後の展開に頭を悩ませている。
自分の担当する国が岩崎国際同盟に参加してくれたらプラスになるが、国家を動かすには多くのハードルが存在する。

そんなタイミングで、一本のハリウッド映画が公開された。
男女に襲い掛かる悲劇と喜劇が、海中都市建設現場や砂漠に広がりつつあるニューシティ、大震災から復興しつつ有る町などを舞台に繰り広げられる。
私は岩崎王国の遥香姫として登場、ボーダーレス教団も登場する。
その映画を見て…。

「ボーダーレス教団の弱者向け総合ホームが一つのシンボルとして描かれていたわね。」
「一人の子を多くの大人が見守り育てる、子どもが老人から学ぶ環境、震災によって傷ついた人達が女神さまに守られて生きているという部分はフィクションでは有りませんでした。
朝は、遥香さまの鎮魂歌を聴きながら祈りを捧げ、希望の歌を口ずさみながら学校へという姿は現地支社が送ってくれた映像とダブリます、彼等の衣装が可愛かったですね。」
「教団から支給したのでしょ、他では普通に売れてるみたいだから、これからまた売り上げが伸びそうね。
あそこの工場で生産しているから、利益はそのまま復興資金に回せるわ。
各地の支社長達はこの映画をきっかけに岩崎国際同盟参加への機運が高まればと考えているの、今後、岩崎は同盟国重視になるでしょ。」
「今後は支社の再編とかも有るのでしょうか?」
「お父さまは、岩崎に協力的でない国の岩崎支社の規模を縮小して、単なる輸出先にしようと考え始めているの、そうなったら支社長は売る事に専念かしらね。」
「それはそれで王国にとってプラスですね、その国の富をどれだけ吸い上げる事が出来るか…、利益は協力的な国への投資に回せます。」
「ええ、協力して岩崎王国を拡大し教育や医療などの充実にも力を注ぐ国と、岩崎の商品やサービスに対してひたすらお金を支払って頂く国に別れて行くでしょうね。
勿論、中間的な国も出て来るでしょうが。
人材の配置も変えて王国拡大の速度を上げる事に成るでしょう。
支社長会議のネットワークで調整しているから…、そうね桜もアクセスしておいて、今からアクセス出来る様にするわね。」
「はい、お願いします。」
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