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姫-08 [高校生会議-13]

九州旅行から帰ってしばらくのんびりさせて貰った。
時間に余裕は持たせて有ったが撮影とパーティーが続いて疲れない訳がない。

「遥香さま、疲れは取れましたか?」
「ええ、気分転換に論文を書いてる、桜の方はどう?」
「ラジオの方が盛り上がっていまして、番組内容が以前とは全く変わり遥香さま情報がメインの番組になりそうです、しばらくは私か聡美に出て欲しいと、私達はテレビで顔が知られているという事で…、静香や忍はトークが苦手ですからラジオ向きでは有りません。」
「そうね、他で持ってた暫定担当はもう引き継いだのでしょ?」
「はい、今は見守る状態になっています、キサワイ王国との交渉は岩崎王国外交担当大臣指示の下、外交担当部がきっちり進めてくれています。」
「引き継ぐまでに素敵な彼氏は見つからなかったの?」
「いえ、今は王国にとって遥香さまにとって大事な時です、浮ついた気持ちにはなれません。」
「そんな事言ってたらだめよ、桜、この先ずっと大事な時が続くのだから。
ちゃんと素敵な男性と出会って、気になる人が出来ましたとか教えてくれなきゃ。」
「遥香さま…。」
「私の理想は話したでしょ、当分無理そうだからせめて桜の恋ばなを楽しみたいの。」
「遥香さまに合う人が世界中に果たして何人いるのか…。」
「それで、キサワイ王国とはどうなの?」
「基本合意に達していますので、後は調印式などイベント日程の調整です。
先方の観光宣伝を優先してあげたいのですが、岩崎社長や遥香さまの訪問日程、アサリダ国王来日のタイミングなどを検討しているところです。
遥香さまのCDやDVDの発売日も考慮したいですし、岩山さんにも目立って頂きたいと。」
「のんびりしてると解散総選挙になってしまうという事は大丈夫?」
「はい、スタッフ一同理解しています、ただ解散決定を受けて遥香さまが党から離れられる予定です、早めに岩山夫妻がキサワイ王国へ赴いて友好条約に調印さえして頂ければ、後は制約が少ないと考えています。」
「そうね、そこだけは迅速に進めて頂きましょう。
その後は、適度な間隔でイベントが続くと良いわね。」
「はい、ただ旅行も有りますので、遥香さまが忙しくなり過ぎないか心配です。」
「副社長達が頑張ってくれてるから大丈夫よ、九州旅行は少し欲張り過ぎて疲れたけど、次からはゆったりとしたスケジュールに出来そうだから安心して。
後は貴族制度が上手く行くかどうかね。」
「王国に対して大きな貢献をした人、審査を通れば爵位をお金で買えるシステム、予備調査の結果がそろそろ見られるという事でしたが。」
「聡美、どう?」
「はい、先ほど閲覧可能になり、今、目を通しています、爵位を希望されていた方々からは概ね高評価を頂いています。
貧困家庭を支援して王国の一員へ迎え入れるプログラム、そこへの資金援助がベースですので、お金で爵位を買ったというイメージが弱められたのが良かったみたいです。
具体的な支援金額、支援方法などの提案も届いています。
安定した印税収入の有る方は継続的な支援を考えておられます。
兎に角ナイトの称号が欲しいという方も何人かおられますね。」
「ベースの約束事を決めた後は、各個人と調整する事になるのかしら。」
「はい、人それですのでそうするしかないでしょう。
遥香さまがご旅行の際は同行させて頂きたいという方もおられます、著名人が同行なら遥香さまの姫度が更に上がると思います。」
「金額的には幾らぐらい集まりそう?」
「現時点では二億ぐらいですが、岩崎王国の爵位を得れば遥香さまとの相乗効果により自身のCDやDVDの売り上げが伸び、更に寄付出来ると考えておられる方が多いです。
爵位の条件として爵位を私利私欲の為に利用しないとさせて頂きましたが、きちんと受け止めて頂けています、寄付金はかなり伸びるのではないでしょうか。」
「個別の調整は誰がトップに?」
「明香さまが責任を持たれるそうです、岩崎本家メンバーが主に動きますが、こちらの意向も尊重したいと、その窓口は私で構いませんか?」
「ええ、早めに正式発表出来るようにプレッシャーを掛けられる?」
「はい、貴族候補の何人かとは連絡を取り合っていますから。」
「外交でも貴族の力をお借りする事が出来たら楽しいでしょ。」
「そうですね、外交日程を彼等に知らせても問題ないですか?」
「むしろ知って頂いた方が全体の動きが活発になるのでは無いかしら、問題が起きた時は私の方でフォローします。」
「分かりました、プログラム毎に交代で参加して頂ける体制を作る事も、岩崎本家へ提案しておきます。」
「ふふ、でも本家のスタッフをいじめちゃだめよ。」
「そんなことしませんよ。」
「そうかしら、聡美さんはとてつもなく可愛らしい笑顔で、とんでもないプレッシャーをかけて来ると聞いた事が有りますが。」
「桜ったらひどいな~、ちゃんと相手の力量を考えて無理の無い範囲にしてますよ~。
その証拠に私の出してる指示は、目標として提示した日時より、かなり早く完了しています。」
「そうよ、桜、聡美はメールや電話で済む事でも敢えてテレビ電話で伝えたりしてるの。
聡美から笑顔でお願いされると、少しでも早く正確に完了させなきゃって、自分で自分にプレッシャーをかけてしまうのよ。
可愛い女の子に恰好の良いとこを見せたくなるのは当たり前の事でしょ。」
「う~ん、聡美も遥香さまも部下の心を…。」
「桜もテレビ電話を上手に使わなきゃ、チーム遥香のお色気担当なのだから武器は有効に使うのよ。」
「は、はい…。」
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