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プロローグ-07 [高校生会議-01]

しばらくするとあちこちで輪が作られ会議になっていた。
作業の都合で場所を変えた人も、父に会うため私の自宅に向かった人達もいたりする。
私は邪魔にならない様に注意しながら、皆さんの話を聞かせて頂いた。
スピード感の有る進行は流石大人だ、高校生にも分かり易く方向性を示してくれている。
優子さんによれば、今回ほど皆が熱くなった企画は今まで無かったそうだ。
私という存在が彼等を動かしていると言われたが実感は全くない。
帰りは十三人の人がジャンケンをして私を車で送る人を決めていた。
優子さんと私の家での会議に参加するという人と共に家に帰る。

「おかえりなさいませ、遥香さま。」
「今日はお疲れでしょう、飲み物はお部屋の方へお持ちしましょうか?」
「いえ、着替えてから皆さんとご一緒に。」
「かしこまりました。」
サポートスタッフ達もお姫様ごっこを楽しんでるのだろうか。
ゆっくり着替えてリビングへ行くと父が…。
「それで遥香はどうなんだ、プリンセスとして。」
「そうね、単純なお姫様ごっこではないし、もう盛り上がってしまったから、私がお役に立てるのであればという感じかしら。」
「有難う御座います、家臣一同精一杯お仕えさせて頂きます。」
「ふふ、それでこれからの事はどうなりましたか?」
「清音部長からは遥香さまが了承して下さったのならば構わないとのお言葉を頂いております、この後サポートメンバーにゴーサインを出せば一気に事は進みます。」
「本業に影響が出そうな勢いでしたが大丈夫ですか?」
「分かりました、遥香さまのお言葉として、本業に支障が出無い様気を付ける事との指示を出しておきます、高校生は学業に。」
「お願いしますね。」
「もっと、気軽に話して良いのじゃないか、随分年下の女の子が相手なのだから。」
「ぶ、部長、自分はこんな美少女と話した事なかったのですよ、部長は奥さんもお綺麗で見慣れてるでしょうが。」
「そんなんで大丈夫か、取引先には美人でやり手の人もいるだろう。」
「はは、居てもレベルが違いますよ。」
「久兼さんも随分お綺麗だと思うがな。」
「それは否定しませんが、優子ちゃんとはまたタイプが違うというか…、あ~部長もうその話題は勘弁して下さい。」
「はは、それでは久兼さん、あなたが考えるこの企画のポイントはどこですか?」
「人の注目を集める事です、それが岩崎高校生会議第十七支部の活動にプラスになると考えています。
そこから高校生の可能性を広げたいです、すでに私が考えたレベルを超えて話が進んでいますが。
清音部長、遥香さまは彼の言う通り何か私達と違うのですが…。」
「はは、それは親として喜んで良いのかな。」
「特別な教育をされてきたとか。」
「今度一人で、いやご両親と一緒にでも遊びにおいで、君のお父さんとは面識が有るからね。」
「はい、今の所、遥香さまの教育係という設定ですから、よろしくお願いします。」

優子さんはすぐさま電話をかけ翌日の昼食を共にする予定を決めてしまう。
そう言えばサポートスタッフの方々も判断が早く、すぐ行動に移していた。
良い事だけど…、彼等が私に求めている視点は逆にじっくりという事なのかもしれない。
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