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70-担当者 [岩崎雄太-07]

谷川のコンサルタント会社。

「佐山くん、島根の福祉村はどうなってる?」
「現在村民は五十二名、多少の揉め事は有ったそうですが、乗り越えられそうとの事です。
親子向けの住宅地は児童養護施設の建設を踏まえて造成計画を立て直しています。
ただ、町に有る施設と同じにする必要も有りませんので、どういう形の施設にするか、実際に児童養護施設で育った人の声も聞きながら検討しています。
工房の作品では、竹細工がネットオークションで売れ始めています。
但し、こちらの事情をご存知の方が高値で競り落として下さっているのかもしれなくて。
作者の方も実力以上の価格には抵抗が有るとの事で、類似する商品から導き出した参考価格を表示する事にしました。
縫いぐるみの製作は試作品を作りながらネットワークを構築中です。
施設の子が描いた絵を参考に協力工場のボランティアと連絡を取り合って素材を送って貰って作っています。
その過程で児童養護施設の話もボランティアに伝わり協力体制を整えたいと、グループ企業全社が協力したら何人ぐらい養えるのだろうという話も出ているそうです。」
「それは心強いな、うちからも寄付する事にして話を早めよう、岩崎社長とも相談してみるよ。」
「お願いします、村人にとっても、身寄りのない子どもが身近で暮らす事はプラスになるだろう、と彼等の面接を担当している人から聞きました。
実際、シングルマザーの子が五人いますが、皆に可愛がられているそうです。」
「そうだな、佐山くん、ネット通販のサンプル写真のモデルを福祉村の住人にお願いするってどうだろう?」
「えっ、ああ、そうですね、指名手配された様な人はいません、子ども達も含めて打診してみます。
通販とも調整してみます。」
「金額は僅かでも、彼等が自力で稼げる環境を強化していきたいからな、村人にカメラマン崩れが居たと思う、まあ分野は違うかもしれないが、ネットのサンプル写真ぐらいなら任せられないかな?」
「すいません、そこまで把握していませんでした、調べてみます。」
「えっ、そうなのか、私は彼をどう活かすか考えていたのだが。」
「もう一歩資料に踏み込みます。」
「仕事が多すぎる様なら、サブを付けるが。」
「いえ、まだそんなレベルには有りません、自分が甘かっただけですから。」
「そうなのか、このプロジェクトは岩崎社長も重きを置いておられるから、自分の手に余る様なら早目に応援要請してくれな。」
「は、はい。」
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