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10-スポンサー [岩崎雄太-01]

「問題は社員が集まるかどうかなのよね。」
「学校の設立には親父が協力してくれる事になった、学校が出来れば募集もし易いだろう。
但し、このプロジェクト全体を親父の会社のイメージアップに使う。
大きなスポンサーが付いたという事だな、だから平凡な学校にはしない。
学校以外なら二十億で収まると思っていたが、もう少し多めの投資が可能になった。
お爺さまも出資して下さる、条件と言う訳でもないが、特色ある村として電柱のない村を勧められた、地中線化して景観を良くしてはどうかという事なんだ、建物も安易に考えず一つのコンセプトの元、統一感有る物を目指してはと。
親父からは遊びに行きたいからヘリポートを作らせてくれと、緊急時に役立つだろうともね、観光にも生かせるかもしれない。」
「雄太、何から驚けば良いの?」
「はは、最近親父やお爺さまと話しているのはうちの資産の事、その中で貯めこみ過ぎたかなという反省を聞かされているよ、きっかけは俺が出したのだがね。
親父は企業に問題が起きた時責任を取る立場にあるから、その時の備えも含めた安心できる資産を、会社にも個人にもと考えて来た、お陰でうちは安泰な訳だが、政府が打ち出す景気対策、内需を盛り上げる筈の金までもが一部の企業や人を潤すだけで終わってしまっていないかと話したら、真面目に考えてくれた。
俺に実績が無かったら聞いて貰えなかっただろうが、皆のお陰で結果を出せているからな。
莫大な資産を抱えている人間の責任という視点で、俺達のプロジェクトを後押ししてくれるよ。」
「随分楽になったという事ですか?」
「どうかな…、愛華にとっては余計な仕事が増えるだけかもしれない、親父の会社と相談だ。
でも、明香が手助けをしてくれる事になっている、まあ、俺の嫁になる彼女をあちこちに紹介する意味も有ってね。」
「驚いたな。」
「どうした、祐樹。」
「この世の中で、過疎の問題と向き合う大金持ちは、お前一人だけだと思ってた。」
「はは、お爺さまは、様子を見て色々手を回して下さるよ、俺達とは違う次元でね、でも、それにはこのプロジェクトが良い形で表に出ないとだめなんだ。
一つ言うならば、お爺さまと親父と俺、三代での挑戦の象徴になる。」
「愛華…、私、そんなお爺さまと来週初めてお会いする事になってるのよ…。」
「明香なら大丈夫よ、何時ものくそ度胸でさ。」
「え~、お嬢様育ちじゃないのよ、失礼な事をしてしまったらどうしよう。」
「リラックスして普段通りなら全く問題ない、お爺さまは、お嬢様育ちの従妹達に嫌悪感を覚えてるそうだからね。」
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