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恰好良く-09 [飯山美里-03]

「美里、今朝の登校はどうだった?」
「夏ちゃんついて行けてなかったよ、でも雄三くんが面倒見てくれてたわ。」
「やはり雄二はだめか…。」
「早く学校に着いて遊びたいのでしょうね、私もついて行けそうにない速さだったの。」
「これからどうするの?」
「まずは、二つに分けようかな、女の子組と…、雄三くんも本人の好きな様にさせてあげないと、もしかすると早く行きたいのを我慢してたかもしれない、でも雄二と一緒じゃない方が良いのなら私達とかな。」
「ほんとは班でまとまって行動しなさいって事になってるけど。」
「自主的に一年生の事を考えてくれるのなら良いけど、無理に押し付けるのもどうかしら。
夏ちゃんが入学してくるまでのペースを急に変えられなかったと思うの、先生にも話してみるわ。」
「詩織ちゃんは?」
「何となく馴染んでるみたい、雄三君とも夏ちゃんとも。」
「じゃあ、休み時間も一緒に遊ぶ様に仕向けてみようかな。」
「そうだね、詩織はすぐ飼育小屋の方へ行っちゃうけど。」
「他の一年生は大丈夫かな。」
「ねえ、横山さんちの健くんと伊藤さんとこの仁くん、あまり仲良さそうじゃないみたいだけど。」
「そうね、でも喧嘩はしてるけど相手を怪我させる様な事はしてない、今はライバルなんじゃないかな、落ち着けば親友になるかもよ。」
「そういうものかな?」
「断言は出来ないけど、まだお互いの距離感が掴めていないんじゃないかしら。」
「はぁ~、美里は時々すごく大人に思えるのよね。」
「そんなことないよ、ただここへ来てから元気に遊ぶみんなを見ながら考え事するのが楽しいというか…。」
「やっぱ違う、私はそんな事考えてないもん、美里はなんかお母さんみたいなんだよな。」
「お母さん?」
「一緒に遊んでなくても、見ててくれると嬉しいみたいな、ね、ちっちゃい頃さ縄飛びするからお母さん見てて、なんて事なかった。」
「麻紀、そうだよ、美里が見ててくれると私でも嬉しくなるから、多分下の子達にとっては優しいお母さんみたいな存在なんじゃないかな。」
「う~ん、優しいお姉さんを目指して来たつもりなんだけどな。」
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