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社長-19 [安藤優-06]

三か月後。

「坂本社長、こんなに簡単に商品が売れるなんて、今までの苦労は何だったんですかね。」
「改めて桜根グループの強さを思い知らされたな。」
「株式会社つぼみからの指示通りの価格で、全く値引き交渉なし、工場から桜根グループの各社に直送、有り得ない利益率です、やはり少年社長の為に各社が負担して下さってるのでしょうか。」
「いや、これが桜根の強さで普通の事なんだそうだ、商品の質が良い事が前提では有る、業務提携でうちも桜根グループの一員とみなして頂けたから適正な価格で買って貰えるんだ、桜根グループ企業の規模が大きくなったから、物によってはグループ外へ売る余裕が無かったり、それを必要としない企業も有るそうだ、もちろん先を見通して増産体制を計画しているのだろうけど、会社で使う物の七十%以上はグループ企業の製品だそうだよ。」
「自由競争では無いのですね。」
「まあこの相互購入システムで他社に対する競争力を高めているという事なのだろう、価格競争のない利益率の高い収入が有れば、無理して安売りする必要もない、高く買ったとしても桜根グループという視点で見ればマイナスにはならない、むしろ商品価値を高める事になる、薄利多売の真逆の論理だな。」
「それを実現させたのが安藤大社長の手腕だった訳ですね、ところで今後はどうされますか、工場がフル稼働になるのは時間の問題ですが。」
「この所は求人が難しくなって来てるから、機械化率を上げながら、新工場を桜根グループ企業と共同で整備して行く話が来てる。」
「共同の部分が増えて行くとなると、もっと色々な部分で桜根グループ標準に近づけないとまずくないですか。」
「それは、すでに社内のあちこちから出てるから優先的にやって行かなくてはならないし、これだけ買って頂いたから、うちも桜根グループの商品を購入しないとまずいだろう。」
「そうですね、株式会社つぼみに問い合わせてみます。」
「ああ、頼むよ。」
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