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中学校-24 [チーム桜-11]

三年生理科、宿題の合間に。

「成瀬さん、理科ってほんとに難しいわ。」
「そうだね目に見えない事も扱ってるから…、想像力を膨らませる事が出来ないとね。」
「想像力?」
「あっ、今、亜弥ちゃんは窒素と酸素と二酸化炭素を吸い込んだ、あっ吐いたら酸素が減って二酸化炭素が増えてる。」
「え~、そんな実感ないんだけど…。」
「だよね、見えてないからそれが普通の感覚さ、でも理科の学習をする時はそれを想像するんだ、でね中学生が考える時は正確でなくても良いんだよ。」
「でもそれじゃあ間違った事を覚える事になるでしょ。」
「幼稚園児から、どうして虹は七つの色なのって聞かれたらどう応える?」
「え~、私も解んない、え~っと空気が反射じゃなかった…、空気関係するよね、後水滴だったかしら。」
「はは、虹はね、雨と一緒に落ちて来た七人の天使さんが自分の大好きな色の橋をお空にかけて遊んでいるんだよ。」
「うわっ、メルヘン…、でも本当は違うでしょ。」
「普通の幼稚園児にする説明ならこれで良くないかな、でも小学生に対してなら、太陽の光は虹の七色から出来てるといった説明が加わったり、人間の目に見えるのは虹の七色、とか、もちろん空気中の水滴に反射されてとか、高校生には光の波長とかの話もね。」
「う~ん、そっか年齢に応じて変わっていくのか…。」
「理科の話に戻るとね…、中学で学習してる事も間違いではないけど、高校レベルの授業を考えたら、簡単なものなんだよ、色々省略もしてたりね。」
「ふ~ん。」
「そうだな、そこに酸素原子の想像図を書いてくれるかな、実物なんて無視して良いから。」
「そう言われても…。」
「人間の生活に欠かせないものだから、好きになるような顔で良いよ。」
「こんなん?」
「OK、これが亜弥ちゃんにとっての酸素原子だ、でも酸素くんにはもう一つ名前が有ったよな。」
「え~っと、Oって事?」
「ああ、じゃあちょっと体でも付け足して酸素原子とOを加えてあげようか。」
「こうかな。」
「うん、なかなか可愛らしい酸素だね、じゃあ今度は水素ちゃんかな。」
「Hも付け加えるわね。」
「ああ、出来たね、そしたら、今度は酸素くんを真ん中にして左右に手を付け加えてくれるかな。」
「こう?」
「うん、その両側に水素ちゃん、水素ちゃんは片腕だけ描いて酸素くんと手を繋ぐ、出来上がったのは?」
「水だよね。」
「水分子だな、水を見てその絵が想像できると理科が理解出来てくるかも、そんな感じで二酸化炭素も描いてみようか。」
「こんな感じかな。」
「え~っと二学期以降の範囲になるのかもしれないけど…、ほら、酸素くんは腕が二本だったろ、炭素原子さまは四本の腕で二人の酸素くんと繋がっているんだ…、ほら、こんな風にね。
高校でも化学をやるだろうから、その絵も本気になればどんどん進化して行くんだ、例えば水素ちゃんは酸素くんより随分小さいし、手の繋ぎ方とかもね。」
「へー。」
「飽和水蒸気量とか考える時も見た目では分かりにくいから、気温によって大きさが変わる目には見えない魔法のコップとかに置き換えて想像できると理解し易いくなるんだよ。」
「魔法のコップって、メルヘンっぽいけど…。」
「はは、昔やってた錬金術なんて、金に目のくらんだ人によるメルヘンの世界さ、でもそのおかげで化学が発達したのだけどね。」
「メルヘンの世界で理科を理解出来たら楽しいかな。」
「試してみようか。」
「うん。」
「じゃあ、どの内容をメルヘンにする事から始める?」
「そうね…。」
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