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中学校-02 [チーム桜-09]

本調査二日目の休み時間。

「休み時間を放課って呼ぶのは愛知県独特な事だって知ってた?」
「え~、うっそ~、先生も普通に使ってるし。」
「俺はさ山梨出身なんだ、今回この調査実習に参加しようと思って説明会に参加した時耳にしてね、なんか違うから調べてみて分かったんだ。」
「へ~。」
「そうなのよ、私も転校して来た時は戸惑ったわ、でも方言はテレビで見てた程じゃなかったから安心したかな。」
「私は自分の方言が隠しきれなくて苦労したわ。」
「俺も転校してきた頃は、笑われたりいじめられたりしないかと必死だった。」
「大変だったんだな。」
「でもね、雰囲気の良いクラスだったから、すぐに楽しくなった…、あれが二組だったらやばかったかも。」
「だよな、二組だったら速攻いじめられてたと思う。」
「それは、一年の時って事?」
「ええ、今は三組がやばいよね。」
「一年二組の問題児が二年三組に…。」
「そうなんだ…、あっ、もうすぐ次の授業だね。」
「大丈夫よ、何時も遅れて来るから、西田先生は。」
「でもさ、今日は武田さん達来てるからまともに来るんじゃない?」
「それは有るかも。」
「ちゃんと来たら理由を聞いてみたいわね。」
「加奈、出番よ。」
「よっしゃ~!」

その日の武田の報告。

『現時点で二年三組に問題のある生徒が存在しているとの情報有り、二年一組では大きな問題を感じられなかったが気になったのは社会科教師Nさん、普段から授業開始時間に遅れている模様、生徒から低評価、要支援の可能性有り。
転校当初、特に方言、イントネーションの違いによるいじめを気にしていた生徒、複数。
二年一組の第一印象は悪くなかったです、明日以降教師に対する評価を中心に会話を進めたいと思っています。』

「武田くんの報告に有るN先生、教師に向いてない気がしてたんだ。」
「そういう先生がいると無駄な塾通いが増えるんじゃない?」
「だな、中学の社会なんて授業を受けなくても九十点以上軽く取れるんだけどな。」
「へ~、そうなの。」
「俺、中三の時、ちょっと入院してた事が有ったんだ、でも教科書と問題集で成績を落とさなかった、社会が一番楽だったな、暇も有ったけど。」
「緒方くんは優秀だったんだ。」
「そうでもないよ、佐々木代表とかと話をするとレベルが違うって感じるからね、寺田さんは中学時代どうだったの?」
「がり勉系かな、今思うともっと時間を上手に使えてたらとも思うの。」
「そうか、俺は親父に学習方法を教えて貰って、まぁ親父は点数とか気にしない人だから気楽だったな、今は小山くんの事も相談してるんだ。」
「どう? 彼は何とかなりそう?」
「絶対何とかする、今度佐々木代表も会って下さるし、親父も色々考えてくれているんだ。」
「そこまで…、何かあったの…。」
「親父は子どもの頃から色々有って苦労してきたんだ、でも俺達兄弟は幸せな環境で育てて貰った、俺に出来る事なんてたかが知れてるけど、やれる事が有るならきちんとやりたいと思ってる。」
「私も手伝いたいな。」
「う~ん、今度馬篭まで行こうかって話してるんだけど、藤村記念館メインでね。」
「あ~、それなら一緒に行きたいな。」
「ちなみに、藤村記念館は、夜明け前ぐらいは読んどかないと楽しくないかもなんだけど。」
「うわっ、なんかハードル高そう…。」
「小山くんと行くとなると、普通の観光客とは違って、滞在時間がかなり長くなると思うんだ。」
「緒方くん達と仲間外れは嫌だから…、がり勉モードで読んでおくわ。」
「はは。」
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