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中学校-01 [チーム桜-09]

某中学校。

「いよいよ今日から正式な調査実習だな。」
「ええ、事前調査でも色々分かったけど、教員を目指す人にとっては教育実習とはまた違った良い経験になると良いわね。」
「花井さん、おはようございます、今日の朝礼では特に個人の紹介はしないのですね。」
「はい、人数も多いですから、その代わりネームプレートだけは確実に、管理も慎重にお願いします、部外者が校内に不正に入り込む様な事が有ったら大問題ですからね。」
「再度確認しておきます。」

「ひとまず夏休みまでの一か月半だけど、結構な人数が集まったな。」
「立岡くん有難うね、体格の良い人を集めてくれて、私達ではちょっと怖い子もいるから。」
「その代わり出会いの場を頼むね、中学生に手を出す様な奴はいないけど、さすがに彼女がいる事という条件はきつかったし。」
「極力男女ペアで動いて貰う様にするわ、特にラグビー部や柔道部の大きい人達は一人じゃ調査しにくいでしょうし。」
「花井さん、シフト組むの大変じゃなかった?」
「毎日同じ人数でなくても良いから大丈夫よ、最低十八人という事にさせて貰ったけど午前だけ、午後だけ、部活だけも有りにしたから、最低二十四人最大五十一人になったわ。」
「でもサブリーダーは毎日必要だろ、俺としては毎日でも来たかったけどそうも行かなくて…。」
「安心して、立岡くんと同じくらいの気持ちで取り組んでくれる人が何人も手伝ってくれてるからね。」
「なら良いけど…、そろそろ全員集合か?」
「そうね、注意事項の確認は出来てるから、朝礼までは横の繋がりを作っておきましょうか。」

「先日から来てみえる大学生の方々の調査が、今日から本番だそうです、皆さんは何時も通りで構いませんが、せっかくの機会ですから、大学生のお兄さんお姉さん達から色々教えて頂いて下さい。
では、花井さんお願いします。」
「はい。
今日から夏休みまで、皆さんと過ごさせて頂きます、メンバーは入れ替わりながらです、中に怖そうなお兄さんもいますが見た目ほど怖い人では有りませんので安心して下さい、調査と言っても堅苦しいものでは有りません、アンケートも取りません、お兄さんお姉さんに相談したい事が有ったら受けますし、無かったら一緒に遊びましょう、もちろん勉強の相談も大丈夫です、よろしくお願いします。」

昼休み。

「緒方さんに話しかけたいけど、なんか小山くんと居る事多くない?」
「さすがに男子達おとなしくしてるから、話に入っても大丈夫じゃないかしら?」
「無理無理、話の内容があたしらじゃついて行けないレベルなの、数学で今やってる所が高校ではどう発展して行くとか、難しそうな本の話とか。」
「でも小山くんもかわいそうよね、男子にいじめられてるだけじゃなく、家も色々揉めてるそうよ、高校進学も微妙らしいって、うちの母さん話してた。」
「そっか、でも私達ではどうにもならないわね。」
「緒方さん知ってるのかな。」
「小山くんの話題なら緒方さんとも話が出来るんじゃない。」
「じゃあさ…。」

「おい、やばくないか、小山の奴。」
「俺達がおもちゃにしてた事、緒方さんに話してないのかな?」
「緒方さんは小山とばかり話してるよな、大学生の人数が急に増えたしやりにくいよな。」
「しかもうちに来た女子大生は格闘技やってる人らしい、隣のクラスは優しそうなお姉さんなのに。」
「何かの陰謀か?」
「帰りにゲーセンでも行くか?」
「だな、夏休みまで遠いからきついな。」

その日の調査参加者からの報告の一部、報告は調査実習参加者で共有される。

『一年二組、十六人の子と言葉を交わしたが特に問題なし。
授業も特別な問題を感じなかった。
三名の先生とも話が出来たが、特に問題は無いとの事。』

『三年三組、緒方さんには小山くんのガードを兼ねて張り付いて貰っている。
女子の何名かは緒方さんに興味津々の模様、問題の有りそうな子達も今の所はおとなしい。
ただ、すごく危険な子はいない様な気がする。』
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