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お祭り-04 [チーム桜-02]

祭りのブースは楽しむものと真面目なものとが混在している。
公園の一角では、環境の変化と少子化、と題してデスカッションが行われている最中。

「科学的な裏付けが有る訳では無いのですが、ゲーム機の普及が人間関係に与えた影響は少なくないと思うのです。
観光地へ行ってもゲーム機を手放せない子ども達を目にすると、これで良いのかって思います。」
「自分のかつてのクラスメートには、ゲームにはまり過ぎて学校にまともに来なくなった人もいます。」
「確かに問題有りそうですね、ただここまで人の生活に浸透してしまっていると、簡単には否定出来ませんよね。」
「彼氏彼女が居なくてもゲームが有ればということでしょうか? まあゲームだけでもないのでしょうが。」
「人間の、というより生き物の本能の部分、子孫を残すという事が崩れてきてる訳ですから、もっと研究する必要有りませんか。」
「行き過ぎた競争社会が生み出した非正規雇用の拡大が結婚、出産を躊躇させてると思ってましたけど、それだけでも無いってことですね。」
「本来なら、より良い子孫を残す為に、より優れた配偶者を求めて競争するのが生き物の本能でしょう、ただ親になるまでの生存率が高い生き物ほど少子になります。
マンボウは1回に約2億8千万個の卵を生むと聞いた事が有ります、でもその内、親になるのは一、二匹とか、それと真逆なのが今の日本、我が国の少子高齢化は自然の摂理なのでしょうか。」
「豊かな国になった反面、子育てに費用が掛かり過ぎてる…、問題は色々有りそうですね。
環境がどう変わって、それがどんな影響を及ぼして、このまま老いた国となってしまうのか調べる必要は有ると思います。」

「ここで、ご来場の皆さんからのご意見も頂きたいと思うのですが、如何でしょうか?
あっ、どうぞ。」
「子ども達向けには、延々と続くゲームは問題が有ると思います。
せめてプログラムで一日のゲーム時間を区切るとか、だらだら続くのではなく、一日の一定時間内で勝負するとか…、まあ複数のゲームソフトをはしごしたら意味ないかもしれませんが。」
「はい、どうぞ。」
「それでも若干の抑止にはなると思います、ゲーム機自体に何らかの制限機能が有っても良いと思いますが。
その効果等は、チーム桜のメンバー内で調査研究は可能じゃないでしょうか。」
「よろしいですか?」
「はい、どうぞ。」
「現実逃避の場としてゲームを利用してる可能性はどうでしょうか。」
「そうですね、逃避したくなる現実にも問題が有りますよね。」
「色々な意見が出てきてますので、グループデスカッションに移りたいと思います、皆さん、如何でしょうか?」
「頷いておられる方も多いですから始めましょう、ただ実験的に皆さんの立場を隠した状態でってどうです? 
お仕事、信条それぞれ色々だと思うのですが、あえて表に出さない状態で討論が出来ればと思うのですが。」
「賛成だよ、その方が純粋な討論が出来そうだ。」
「後でバラしてびっくりも有りかな。」
「ではグループ分けはどうしますか?」
「まあ、近くの人とかでどうかな、グループ分けに時間を使いたくないし。」
「特に反対がない様ですので始めましょうか、主催メンバーも参加しましょう、OKかな?」
「OKです。」
「では有る程度の所で時間を区切りますのでお願いします。」

別の一角ではモデル地区での活動について質疑がなされていた。
答えているのは婦人会幹部。
「モデル地区としての負担は有りませんでしたか?」
「この地区は市内でも比較的恵まれた環境だと思います。
婦人会中心に学生達のフォローに入る事が出来るだけの余裕が有りましたから。
実際モデル地区として動き始めてからは、負担と言うより楽しい事の方が多かったです。
学生達と共に働くという事は私達にとって良い刺激になっていますから。」
「ここでの活動を他の地区でも、という事は可能でしょうか?」
「組織がきちんとしている所なら問題は少ないと思います。
震災被災地の復興を見ていても、組織がはっきりとした方向性を持って活動している所は結果が早めに出ていると感じています。」
「モデル地区としての成果は感じてますか?」
「まだ少しずつですが感じています、今はまだ婦人会が中心という感じですが、男性から参加したいという声も出始めています。
今後の展開も学生と共に発信して行きますので、見守っていて頂きたいです。」
「うちは田舎なのでずいぶん環境が違うのですが、ここと繋がって行く事は可能でしょうか。」
「すぐにというのは難しいかもしれませんが、いずれは。
学生達とも色々な可能性を検討しています、チーム桜のメンバー同志が手を取り合って協力していくことが大きな目標ですし。」
「綺麗な町という印象を受けましたけど、やはりボランティアの力なのですか?」
「はい、始めは学生からの提案だったり、実際に学生がらみで綺麗にして頂いたりしたのですが、それに影響を受けて掃除ボランティアの活動が活発になっています。」
「でも単なる労働奉仕で長続きしますか?」
「掃除をした後は親睦会とか、働くだけでない付加価値を感じて頂けるようにしています。
時には学生との交流も有りますから、楽しく掃除をしてますよ。」
「掃除ボランティアは運営上の問題点とかないのですか?」
「まだ始まって間がないですから、小さな反発は有りますけど今の所何とかなっています。
基本的に参加を強要していませんが、仲間はずれは嫌だけど掃除はしたくないみたいな声は有ります。
ただ今後は分かりません、続けて行くと思わぬ落とし穴が有るかもしれません。
今の所はチーム桜として結束が強まっていますから、問題が発生しても解決出来るかと思っています。」
「ウエブサイトを見ると、かなり社会問題の調査もされているのですね。」
「はい学生達の研究でも有りますので。
調査結果を踏まえて学生達と問題解決の糸口を探っています。」
「自分は福祉関係で働いていますので、共通する問題も有ると感じました。
機会が有ったら、会合などに参加させて頂けたらと思うのですが如何でしょうか。」
「はい、では連絡先など…、あっ、そこで手を上げてる子の所へお願いします。」
「通学路の安全確保は…。」

来場者からの質問は絶えない。
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