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お祭り-03 [チーム桜-02]

中田社長宅。

「おい、グッズは祭りで売れ残ってもいずれ売れるからって、かなり多めに用意したんだよな。」
「それが売り切れそうな勢いか。」
「隆二、増産体制はどうなんだ?」
「簡単には行かないよ、これだけの来場者、これだけの売り上げは誰も予想してなかった。
難しいのは今日沢山売れて、欲しいと思って下さった方々に行き渡ったのか、まだまだ売れるのかという見極めだな。」
「祭り会場に来て下さった方は登録者の何%ぐらいなんだろう。」
「はは、それは無意味みたいだぞ。」
「えっ?」
「見てみろよ登録者が増え続けてるんだ。」
「ネットライブ中継を見て下さって登録とか、実際に会場を訪れてから登録して下さった方もみえるんだろうな。」
「十二時からは、まずお礼だな。」
「ああ、ちょっとリハやっとくか?」
「遠藤、この部屋でやるのか?」
「うん…、瑠璃さんこの部屋には色んな人が来てますか?」
「そうですね、多い訳ではないですけど私の友人達も…。」
「場所が特定されるのはまずいから、大道具に連絡入れるよ。」
電話をかける遠藤。

「遠藤も社長が板に付いてきたな。」
「まあな、俺がどっしり構えてないと、皆が不安になるだろ。」

しばらくして桜舞い散るカーテン生地を手に大道具担当が準備を始める。
佐々木達は打ち合わせを進めていた。

遠藤に連絡が入った。
「十三時の二回目からは質問に応えて欲しいということだけど良いかな。」
「どんな質問かにもよるけど…。」
「隆二、何か問題でも有るのか?」
「いや、単に嫌な予感がするだけだ。」
「心配性なんだな。」
「ま、質問は適当に整理すれば良いさ。」
「なら良いか。」

十二時からの中継放送は佐々木の感謝の言葉に始まる。
多くの来場に対して、また学生に対して流した緊急応援要請に反応して、誘導等を手伝って下さった方々へ、感謝の気持ちを伝える。
そして隆二の謝罪の言葉で終わった。
来場者数の予測の甘さ、グッズの売れ行き予測の甘さの全責任は自分に有りますと。

それと前後して彼らに対する質問がスタッフを通して寄せられていた。
「これって、運営スタッフの連中、質問を意図的に選んでないか?」
「隆二あきらめろ、チーム桜発足発表時の熱弁は多くの人の心にだな。」
「でも佐紀との事ばかりじゃないか、これじゃあ佐紀が…。」
「そりゃ、チーム桜発足時の会見、佐紀は隆二しか見てなかったからな。」
「いきなり現れた美女とじゃがいも。」
「隆二、私は構わないよ、十三時からは私の独演会でも良いわ。」
「うん、それで行こうよ、それとも他に好きな子でもいるのか?」
「そんな訳ないだろ。」
「う~ん、じゃあ横にじゃがいも社長人形を置いての十五分で良いかな?」
「佐紀、十五分って結構長いぞ。」
「たぶん大丈夫、他の話しも入れるから。」

十三時、佐紀が一人で話し始める。
チーム桜に対する想いをひとしきり語った後。
「ずいぶん多くの質問を頂いたことに関してですが、私はアイドルでは有りませんので男女交際は禁止されていません。
まあ、うちのアイドル系の子達も禁止されてませんが。
私達の年齢で彼氏がいないなんて、逆に不自然じゃないですか?
私は安藤隆二が大好きです。
変な噂が流れているようですが、惚れたのは私です、だってあんなに器の大きい人と出会ったのは始めてでしたから…。」
そこからは若干のおのろけ話しも交えながら話すも。
「私達の一つの目標として、若い世代が安心して結婚し子どもを生み育てる事の出来る環境作りという事が有ります。
それに向けての取り組みも始めています。
詳しくはチーム桜のサイトや花を咲かせましょうなどで紹介していますので、ご理解とご協力の程、よろしくお願いします。」

佐紀の話しに対する反響は大きかった。
じゃがいも社長がうらやましい、という声も有ったが、概ね好意的に受け止められたようだ。
「書き込みを見てる分には、今で良かったのかもな、佐紀の人気が高まってから多くの男性を落胆させるよりは。」
「女性からの声は、堂々としててカッコいいって感じのが多いよ。」
「隆二、良かったな。」
「はは…。」
「十四時は誰が出る?」
「そりゃ、裕子と桜子でしょ、質問も沢山来てるしね。」
「良いわよ、桜子少し演奏する?」
「やりますか。」
「裕子は?」
「小さな動きで表現してみようかな。」
「おっ、新作?」
「まあね。」
「じゃあ、十五時以降で真面目系の質問に答えていこうか。」
「だな、内容をまとめておこう。」
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