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架空サークル-57 [動植物園再生-06]

募金箱は早い段階で予算化され作成された。
箱には公式の物で有ること、パフォーマンスが許可を得てのものであることなどが明記され鍵が取り付けられ、園内の植物会館で管理されている。

店から少し離れた植物会館へは一人の学生が募金箱を取りに来ていた。
「一時から日本庭園での木管四重奏をサポートする鈴木です、募金箱をお借りに来ました。」
「はい鈴木君ご苦労様、じゃあこの用紙にサインお願い。」
「はい。」

「何かあったらすぐ連絡してね、ここに連絡先有るから。
たぶんガイドボランティアの方も聴きに行かれる思うから、見かけたら声を掛けておくのよ。
変な人はいないと思うけど、万が一の時は助けて下さると思いますからね。」
「はい、先輩方からもコミュニケーションを取る様に言われてます。」
「今日は佐々木代表聴きに来られるの?」
「どうでしょう、お忙しい方ですから。」
「素敵よね~彼、まだテレビでしか見たことないけど…、あら御免なさい、終了予定は?」
「二時半です、三時までには募金箱をお返しに来る予定です。」
「了解、もし遅れる様なら連絡お願いね。」
「はい、じゃあ行ってきます。」
「気を付けてね。」

園内パフォーマンスには必ずサポートの学生が付く。
演奏中募金箱を置きっぱなしには出来ないのでその管理者が必要だ。
また、演者関連の宣伝ビラなども配りたいということで、ちらしの管理をする者もいる。
演奏者の紹介や曲紹介を別の大学の学生が行う事もある。
演奏当日来なくても、サイトでの告知という形でサポートする学生もいる。
何をするでなく曲にあった衣装を纏って花を添える女学生。
撮影をする者、その他裏方として動く学生達。
ほとんどは少し離れた所から来園者の妨げにならないように見守っている。

「鈴木くん、天気が良くて助かったわね。」
「だね、屋外は天気に左右されるから。」

「寄付はこちらで良いのかしら?」
「はい、有難うございます。」
「屋外で生演奏も良い物ね、鳥のさえずりも聴こえて楽しかったわ。」
「音響面とか如何でした?」
「変に作られていないナチュラルさが新鮮だったわ。」
「よろしかったら彼らの演奏会も有りますので。」
「まあそうなの、チラシ頂くわ、テレビで見たわよ皆がんばってね、応援してるわよ。」
「有難うございます。」

「今の方お札だったよね、大きい方の。」
「ああ、応援して貰ってるんだな俺たち。」
「単なる演奏の魅力だけではない価値を生み出す、遠藤先輩が話してみえたのってこういうことなのかも。」


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
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