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架空サークル-56 [動植物園再生-06]

店二日目。
店の近くでは学生によるパフォーマンスも披露されている。
それを遠藤真一は地元テレビ局のディレクター柏木と見ていた。

「遠藤君がパフォーマンス系を仕切ってるの?」
「仕切るという程では有りませんが、方向性を示して行こうかと、サポートしていた似顔絵の方も形が出来てきて落着きましたから…、対外的にはパフォーマンス部の部長という事になりました。」
「あっ組織の方は、結局その方向になったんだね。」
「はい、会社組織というものを我々が理解していくには良い機会だと思っています。」
「部長ともなると大変だろう。」
「ま、楽では有りませんが課長達が優秀ですから。」
「う~ん、その言葉が出るという事は…、君は優秀なリーダーになれそうだね。」
「いえいえ。」
「遠藤部長的にパフォーマンス部の方向性はどうなの?」
「はは、部長はよして下さいよ、まあ方向性としては…、まず個々の力量は自分で伸ばすしかない、もちろん先生の指導を受けたりすることは必要だけど最後は自分で考える事だと思ってます。
プロとアマの違いをじっくり考えようというアドバイスをする様にしています。
でもパフォーマンス部の存在意義は、とことん演出力だと考えています。
同じダンスでも衣装によって人の感じ方は変わります、同じ曲でも演出によって伝わり方は全く違ったものになっていく。
一人のパフォーマーをどう演出して行くか、それによって何が引き出せるのか、パフォーマー自身だけでなく周りの学生にとっても挑戦なんです。」
「うん良いね、面白い。」
「どんなジャンルのパフォーマンスだって…、今は一人で演じているものでも、演出を考えたら総合芸術に出来るという気持ちが、課長クラスだけでなく係長クラスにまで広まりつつ有るんです。」
「成程、君が部長になった理由が分かった気がするよ、うちでも応援させてもらうよ。」
「あっ、すでに別の局の方が…。」
「大丈夫、その辺りは調整させて貰うからね、かなり異例なことなんだけどな。」
「ライバル関係にある地元局が協力、という話しは多少耳にしていますが。」
「簡単に言えば、地元が盛り上がればスポンサーのサイフの紐が緩むということだ。」
「はは納得しました、どこまでサイフの紐を緩ませることが出来るかも俺たちの挑戦の一つにしますよ。」
「頼むな、東京のキー局程の力はなくても、地元発の良質な番組を発信して行きたいと我々も思っているからね。」
「その辺りも地元局がんばってるって演出を考えてみましょうか?」
「ははそうだな、がんばってる人を応援したくなる心理か…。」
「はい。」

「それにしても寄付する人、多いよな。」
「有りがたいことです。」
「大道芸的な演出の成功ってことかな?」
「それも有りますが、今日は取材も考慮して今までに人気のあった連中を中心に組んでいます。
彼らすでに結構な寄付を頂いているんです、さらにトークの苦手な子にはトークの上手い子を付けてますから。」
「そうか…、すでに色々考えているってことか…、あの募金箱? も?」
「はい。」


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
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