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F組三国志 1-3 [F組三国志 1 赤澤省吾]

う~んと、とりあえずの話題は…。

「あ、あのさ、いじめのことなんだけどさ。」
「うん。」
「今なら…、そうだな、ゲーム感覚で手を打てるっていうか、手を打ってみたら面白いかと思ったんだ。」
「ゲーム感覚?」
「うん、三国志って知ってる。」
「ええ、歴史で習ったレベル以上にね。」
「じゃあ、話しが早いかな。
簡単に言えばクラスを三つに分けるところから始めるってことなんだ。」
「私としては一つにまとめ上げたいのだけれど…。」
「うん、いずれはそうしたいけど、まぁ統一までの過程ということかな。」
「どういうこと?」
「現時点でクラス運営を放置したら、いじめる側の人が増える可能性が大きいと思うんだ。
みんな楽しい中学生生活を送って来た訳でもなさそうで、いじめられてる子をかばったら自分もいじめの標的になりかねないって思っている。
クラスのみんなの行動とかを思い出して分析してみた結論なんだけどさ、どう?」
「ええ、だから、いじめられる側になる前にいじめる側になろうとしている人もいるってとこね。」
「それが固定化する前、つまり今、いじめない人たちのグループを形成しておこうというのが三つのグループに分ける理由なんだ。
まぁ、別に三つでなくても良いのだけれどね。」
「どんな風に分けるの?」
「まず俺たちのグループ、秋山さん、君がリーダー、奥田さんや谷口さんたち、君と仲がいい人プラス岡崎とかも入れてやるかな。
次が河西哲平をリーダーとするグループ。
彼は男子の中でも人望が厚いし、彼を見つめる女の子たちの眼差しには妬けるものがあるからね。」
「そうよね、でも私のタイプじゃないわ。」
「はは、いじめをしないグループが二つあれば良い。
哲平は話せば分かる奴だと思うから、最初は俺らと哲平の三人だけがこの企みを分かっていれば良いかも。」
「だったら三人で一つのグループを作っても良いんじゃ…。」
「選択肢があった方が面白いと思うんだ。
俺は絶対秋山派なんだけど、リーダーには哲平って奴もいるかもしんないし、クラスを運営して行く上で二つの派閥が競いあったり協力しあったりしたら、面白いじゃん。」
「う~ん、そっか…、でもさその秋山派って表現ちょっとな…、赤澤くんがリーダーやってくれたらいいのに。」
「はは、俺にはそんな魅力ないからね。
まあ、リーダー論ということは小学生時代からの自分の研究テーマではあるけどね。
一時自分も地元の少年団のリーダーをやってはいたんだけど、中学に入ってからはリーダーをサポートしながら集団を見る様にしていてさ。」
「え~、なんか大人っぽい話しだ~。」
「へへ、研究って言っても、大したことないけどね。」
「ふ~ん。
あっ、河西くんのグループにも私たちのグループにも属さない人たちは?」
「派閥がはっきりしてきたらどちらかに所属しようする人も増えるだろうし、森や井原がグループを形成したら、それはそれで面白いかな、彼らも根っからの悪人という訳でもないだろうしさ。
ただ…。」
「ただ?」
「例えば、山影静。」
「あっ、無口よね。」
「そして存在感が希薄。」
「うん。」
「どのグループにも属さないかも。」
「本人が何を望んでいるかも分かんないのよね。」
「今の所、いじめの対象になってる訳でもなさそうだけどさ。」
「でもクラスの一員としてとけこんで欲しいな。」
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