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support company-4 [Lento 12,support company]

ジュピターは文字通り社員一丸となってsupport company入りを目指した。
元々人を大切にする社風があって社長の大山はバランス感覚にすぐれた人物。
社員達が積極的に動いたのも勝算あってのことだ。
和音と真子のCM効果で売り上げを伸ばしているところで資金面も問題もなくsupport company入りすればさらに売り上げも伸びるという計算もされていた。

すべての不満を取り除くということは不可能だろう、しかし自分達の会社が、和音 with Harmony Works support company入りできるかもしれないということは社員達に大きな影響を及ぼした。
何となく働くのと目標を持って働くのとでは大きな違いがあるだけでなく、外に対して誇れる会社で働けるということは、不満やストレスばかりの会社で働くのとは全く違う。

どう改革していくかの積極的な討論の中では衝突もあったのだが、そんなことも隠さず花組へ報告したのは大山の判断だ。
祥子達花組メンバーに実際の現場を伝えたかったという思いもあってのこと。

support company入り決定後は各部署でパーティーが開かれた。
まあ会社での飲み会とかでは愚痴も多く聞かれるものだが…。

「support company入りは嬉しいけど仕事忙しくなるんですよね。」
と、若い社員がつぶやく。
それに応えたのは中年の女性パート社員だ。
「何を言ってるの、君は今定時で帰ってない?」
「ええ、まあそうですが。」
「うちの旦那は早出残業させられまくって過労死よ。
こんな良い会社で少し忙しくなったくらいで愚痴をこぼすなんて考えられないわ。
逆に、こんな良い会社のためにもっと働こうって気が起きないのかしら。
君は貰っている給料分きちんと働いてるの?
ここは人に優しい職場だけど、人に甘い職場にはなって欲しくないわ。
君は気付いてないかもしれないけど、今私たちパート従業員も挑戦してるの。
働く環境はどんどん良くなっている、けどそれに甘えているだけだったらはずかしいって。
和音さまや真子姫さまの名を汚したくないから…。」
最後は亡き夫のこととsupport company入りの喜びからくる感動が入り混じって涙ぐみながら話していた。
他のパート従業員たちも彼女のことを知っているからもらい泣きする者も。

若い社員は謝るしかなかったが、このやりとりは彼のその後の仕事ぶりを変えることとなった。

結果、有能な社員を一人パート従業員たちが育てたことになる。
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