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マネージャー-12 [Lento 8,マネージャー]

「それにしても素敵よね~。」
真子の踊りが終わったところで祥子に声をかけたのは裕子の母、桐子だ。
「ほんとにそうです、この子達の近くにいられる自分って幸せだと何時も思っています。」
「うらやましいわ。」
「はは、でも今日の演奏を聴けただけでも…。」
「そうよね~、私もお義父さまや裕子に感謝しなきゃいけないわね。
ところで真子さんが踊ったのは何ていう曲なの?」
「多分即興だと思います。
私も初めてですし、おそらく…、そこの絵をモチーフにしてたと思いますから。」
「えっ、あれが即興なの…、今更ながら…、なんかどきどきしてきたわ。
すぐそこに天才ピアニストがいるのね。」
「はい。」

「ところで、明日ドイツからのお客様がおみえになるのでしょ?」
「ええ、しばらく忙しくなります。」
「そういえば向こうのプロジェクトメンバーという話を聞いていますけど、名前とかはないのかしら。」
「三日程前に、Team Harmonieに決まったそうです。
ただ、ロゴとかでは和音とか、わおんとか漢字やひらがなを使いたいそうです。」
「でも、それだと真子さんが気を悪くされないかしら。」
「いいえ、真子も喜んでいます。
和音がいて、今の自分があるし、和音という天才の周りに自分達が集まっているからなんだそうです。
そして、ピアノと踊りや絵とのハーモニーという意味にも取れるって。」
「そうなの…、それはそうと、和音ちゃんと真子ちゃんのユニットに名前は付けないの?」
「それなんですよ、ずっと皆で考えているのですが、なかなかしっくりくる案が出て来なくて…、桜子のお父様からはテレビ局が中心になって視聴者から名称募集しても良いのではとの案もいただいています。
採用された方はヨーロッパ演奏旅行へご招待とかで。」
「あら良いわね、私も応募しようかしら?」
「はは、だめですよ、関係者の家族の方は自費でご参加下さい。」
「あら残念ね、でも実はもうスケジュールとか調整を始めているのよ、お義父さまも費用は気にするなって、言ってくださってるしね。」
「やはりそうでしたか楽しみにしてます。
ただユニット名に関しては、ちょっと問題が有りまして…。」
「どんな?」
「真子は自分と和音だけのユニットじゃないって言うんです。」
「どういうこと?」
「和音を中心に、和音が色々な人と組むものであって、そう茂根くんや矢野さん、先崎くん達とのユニットでもあるし、裏方の私達やLentoのスタッフもその一員であって、仲間って感じられる名前が良いって、和音も自分が中心ってのは、ちょっとな~、って言いながら、みなさんに支えられているのだから真子の言う通りって。」
「はぁ~、ほんとに素敵な子たちね。」
「はい、真子って華やかな雰囲気を持ってますから、よく知らない人は勝手に勘違いすることも有るのですけど、実際は色々心配りできる子なんです。
でなければLentoでランクトップにはなれませんけどね。」
「そうよね~、そう言えば、ずいぶん前に裕子からも聞いたことがあるわ、Lentoで自分をあっさり抜いていった後輩が居るけど、尊敬に値する子だから、自分だけでなく皆、妬むこともなく、憧れてる子も多いって。」
「はい、Lentoのスタッフは皆、そんな真子と優しき天才ピアニスト、和音の為に働きたいって考えています。」
「私も二人の為に働きたいわ。」
「よろしくお願いします。」
「まずは食後のお茶ね。」
「ははは、お願いします、私も手伝いますね。」

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