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まずは食事-1 [Lento 7,TV収録の日]

TV収録を終えた後、祥子が真子たちを連れていったのは洋風のしゃれた居酒屋だ。
メニューは和洋中と豊富にある。
「この店はメニューが多いだけじゃなく味もなかなかのものなのよ。」
と祥子。
オーダーを済ませたところで祥子が話し始める。

「さてと、まずは2月のことなんだけど、ヨーロッパ演奏旅行ってどう?」
「えっ!」「え?」
「2月なら学校の方も暇だし一ヶ月かもっとか観光も兼ねてオーストリア、ドイツ、フランスをゆっくり回るの。」
「日本でデビューしたばかりなのにいきなりヨーロッパですか?」
真子がとまどい気味に尋ねる。
「オーストリアか~、ザルツブルグとかも行けるんですか?」
和音は乗り気のようだ。
祥子が続ける、
「ザルツブルグで向こうの演奏家と組んで、あなたたちのオーストリア風舞曲をってリクエストもあるのよ。
10月に私、ドイツとか行ってきたでしょ。
行く前に、向こうの友人たちに連絡を入れておいたら、同窓会みたいなのを開いてくれてね。
その場で和音のCDを誰が演奏してるか何も言わずに聴かせてみたの。
そしたら、こんなにすばらしい演奏聴いたことがないって大騒ぎになってね。
私がマネージャーになったことを知ってる人は何人かいたけど、まさかって感じでね。
それからプロジェクト和音の話とかしている内に、生で演奏を聴きたいとかヨーロッパ版プロジェクト和音を立ち上げようとか盛り上がってね、みんなが自分のコネクションの話を始めたの。
自分の親はどこそこのホール責任者と懇意だとか、テレビ局に知り合いがいるとか、その中で、えーと日本風に発音するとカールってのがね、プロジェクト和音のヨーロッパ版責任者になりたいと言い出して。
どれくらい本気か分からなかったけど、とりあえず連絡を取り合うことにして帰ってきたの。
その後、向こうで会った全員にDVDを送ったら、全員から真子の踊りも生で見たいと返事があったわ。
そして、カールからは演奏旅行のお誘いというわけ。
OKなら、すぐゆったりした日程で演奏会場を幾つか確保して宣伝を始めるし、CDやDVDの販売の方も始めることができるそうなの。」
「カールさんは学生さんなんですか?」
「大学を卒業したとこなんだけど、彼、どんな仕事に就くか迷ってたそうなの。
同窓会の時はちょっと勢いでって感じもあったけどね。
プロモーターをやっている父親に、和音のCDを聴かせたら、こんなすばらしい演奏をより多くの人に聴かせてあげたいと思わないか、って言われて。
それで改めて決意が固まったそうよ。
父親の跡を継ぐという感覚でもないそうなんだけど、結局同じ道を歩むことにしたんだって。
まぁ、親のコネは最大限に利用するから安心して遊びに来て欲しいということよ。」

そんな話をしているところのテーブルに飲み物が置かれた。

「さあ乾杯といきましょう。」
「チア-ズ!」「チア-ズ!」「チア-ズ!」「チア-ズ!」

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