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正月-273 [花鈴-28]

 大学生の合宿所で開かれた新年会ではクリスマス同様、本を出版する話で盛り上がった。

「姫、本のネタとして大規模フェスにチャレンジするのですか?」
「実現出来たら面白いでしょ。」
「ここは交通の便が悪いし、多くの人を集められる場所も無いと思うのだけど。」
「ここまで来て貰う人は少数でも、ライブビューイングで多くの人に見て貰えば良いのよ。
 自然の中に小さな会場を設営し、高額チケットで少数の観客に見て頂く。
 演奏はミュージックビデオを意識して貰い、生のミュージックビデオをライブビューイングやネット配信で見て頂く感覚。
 チケットの不正転売が起こらないと言うメリットも有るわね。」
「姫の話を聞いてると有りかもと思えて来るけど簡単なことでは無いよな。」
「ええ、まずはフェスに参加してくれるミュージシャンを見つけないと、それが最大の難関なの。」
「大規模フェスの前に、一人若しくは一組のミュージシャンでイベントが開催出来るか試してみてはどうかしら、それだってハードルはかなり高そうだけど。」
「そこなのよね、OKしてくれるミュージシャンを見つけられるかどうか…。」
「それなりに売れてる人で無いとライブビューイングでの集客なんて出来ないものね。
 本のネタとして失敗しても良いからと取り組んでみるか、別のネタを探すかになるのかな。」
「成否は別として著名なミュージシャンとコンタクトを取れるのかどうか、例え結果がマネージャー止まりだったとしても、ワクワクドキドキな企画だわ、私はダメ元で良いから取り組んでみたい。
 芸能界は私達にとって別世界だけど、そこに近付けるかも知れないでしょ。」
「それには、まず企画だな。
 芸能事務所とかを動かせるだけの企画を俺達で作れるのか?」
「そこまでのものを作れるかどうかは分からないけど、チャレンジすることは自分達のスキルアップに繋がると思うわ。
 就職先の業務と直接関係していなくてもね。」
「そうよ、失敗しても誰も不幸にしないし、その失敗の課程を本で紹介すれば良いだけのこと。」
「成功してしまって大変なことになる可能性は?」
「そうなったらスタッフをやりたいって奴は幾らでもいるだろ、ここの竹林再生とは根本的に違うのだから。」
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