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二学期-269 [花鈴-27]

 クリスマス、彼氏彼女と過ごす予定の無い学生達が集まるパーティーに招待された。
 お酒を控えめにする為の要員でも有ると聞かされたが彼らと接することは自分にとってもプラスになると考えている。
 それは、学習意欲が弱くて学歴を軽んじた叔父が、学歴云々より民度の問題が有ると話してくれ…。
 学習に対する意欲は弱かったものの能力的にはもっと上の高校を選べる力が有った叔父は高校で出会えた人達のレベルに残念な思いをしたそうで。
 付き合うならハイレベルな人を中心に幅広い人達と交流すべきと言うのが叔父の持論。
 初めましての人は苦手だな~、と思いつつも頑張っているのは、叔父からこの機会を活かさないと損だと諭されての事でもある。

「姫、始めて会った頃より背が伸びましたよね。」
「そうね、何センチかは。」
「伸びたのは背だけじゃないわよ、私が春に話した頃もしっかりしてたけど更に、会社の会長職をこなしてるからか、他の子達とは大きな差が、花鈴姫自身は感じてる?」
「そうですね、日々多くのことを学べてるのは皆さんのお陰だと思っています。
 大学生の方々と多く接することが無かったらもっと視野の狭い子どものままだったでしょうね。」
「子どもか…、時々自分以上に大人だと思ってしまうのだけどな。」
「それは、あなたが子ども過ぎるから当然でしょ。
 姫は社会学的見地から様々な角度で物事を捉えているのだから…、姫は論文を書いてみるとか考えていないの?」
「宿題の作文は書き終わってるけど…、論文ってどんな感じなのかしら?」
「研究しているテーマをまとめるって感じかな。」
「いやいや、論文でなく、ここでの活動を紹介する本を出版しても良いと思う。
 姫にはそれだけの力が有るし、何も全部一人でやる必要は無い。
 絵梨ちゃんと二人で書いても良いし、姫が本を出すのなら自分はバックアップしたいな。」
「本か…、小学生の書いた本が売れるのかしら?」
「小学生の書いた本だから売れるのですよ。
 過疎地の再生を考える小学生の話を中心に、これまでのエピソードを盛り込めば良いのだから、そんなに難しく無いし、難しい話を分かり易く説明する能力が姫には有ります。」
「姫、有かもよ、うちの父は出版社の人と懇意にしてるから話を持ち掛けてみても良いですよ。」
「黒字になるので有ればやってみたいかもだけど…。」
「今までの記録は残して有るのでしょ?」
「勿論。」
「ならそれを整理し面白エピソードを強調すれば行けると思うわ、スーパー小学生が本を、私の卒論テーマにしようかしら。」
「山川はもう卒論を意識してんだ、俺も卒論は姫にしようかな。」
「う~ん、私を卒論のネタにするの?」
「普通の小学生をネタに書くより楽しそうだからね。」
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