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調査-66 [花鈴-07]

 お父さんは私が思ったことが可能かどうか調べる様に指示を出した。
 この地域の人達とより良好な関係を築いて行けるよう本社内には担当部署が有るのだ。
 担当者は社長直々の指示だからと頑張ってくれたそうで…。

「花鈴、何社かの状況を調べさせて貰った所、買収し持ち株会社の傘下で協力し合って貰う形に出来たら、この地をより住み易く出来そうだとの報告が来たよ。」
「買収ね…、予算は有るの?」
「小さい事業所ばかりだから大した金額にはならない、私がゴーサインを出したら移動販売をしてる会社だけでなく四社ぐらいはすぐに買収出来そうなんだ。」
「リスクは?」
「ここに本社を建てたんだぞ、小さなリスクを考えるより地元の利益だ。」
「と言うことは進めるのね。」
「ああ、株式会社花鈴でどうだ、花鈴は会長、社長は田中さんで。」
「会長?」
「まあ名誉職で有り社の広告塔の役割、田中さんが社長なら色々話し易いだろ。」
「そうね、畑仕事しながら過疎地の話をしてくれたけど、ここに本社を移転させたお父さんの考えに賛同していると話してくれてたわ。
 でも色々な会社をまとめて行くって大変そうだな。」
「そこで花鈴の出番なのさ、各社の利害を調整して行くのは大変な作業になると思うが、会長の花鈴が文句を言わせなければ、田中さんも楽だろ。」
「小学生には文句を言いにくいからって、お父さん、ずるくない?」
「そこは花鈴次第、皆さんに気持ち良く納得して頂ければ良いだけのことさ。」
「人の調整さえ上手く行けば効率がかなり良くなると思うのだけど、そこが一番難しいのよね。」
「だな、ただ田中さんは様々な仕事を一まとめにした輪の中に、新たな移住者も組み込んで行くことが出来れば移住者がこの地に馴染易くなるから、皆の為にも汗をかきたいと話してくれたよ。」
「移住者も当然顧客になるものね、大変そうだな~。」
「花鈴は手伝ってあげないのか?」
「私は絵梨の様な初対面の人にも図々しく話せるだけの度胸は無いのよ。」
「何事も経験だぞ。」
「う~ん、慣れるまでは絵梨に…、あっ忘れてた、小枝子さんなら絶対興味を持つよね。」
「記事にも出来るだろうし間違いないな。」
「ふふ、上手く話しタダで手伝って貰おう、ネタが欲しいと何時も話してみえるから問題無いわ。」
「花鈴は慣れてしまうと図々しくなるんだよな。」
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