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バトル-85 [高校生バトル-09]

「有権者の皆さん全員がお父さんのYouTubeチャンネルを見てくれたら間違いなく当選だと思うのにな。」
「多分大丈夫だよ、チャンネルの概要欄は見た?」
「概要欄?」
「ああ、ここだよ。」
「あっ、協力してくれた人の名簿?
 凄い人数なのね。」
「全員がボランティアです、って書いて有るだろ、これだけ沢山の動画をアップしたのにお金は全然掛かって無いんだ、この人たちは一票入れて下さるだけでなく、知り合いにも一票をお願いしてくれる。
 この他にも学校の同窓会とか会社の人達が協力してくれてるんだ、こちらからお願いしなくてもね。」
「それだけ期待されてるってことかな?」
「勿論さ。」
「そうよね、会社の部下だった人達は如何に素敵な上司だったのかを熱弁してたし、社長さんは有能な管理職を失う事は残念だが、優秀な人を市長に出来るのだから全面的に応援すると、お父さまが会社に貢献して来た事を話して下さった締めくくりとしてね。
 高校で生徒会長をしてた頃の逸話を話す人がいたり、ふふ、お父さまとお母さまは高校生の頃からラブラブだったのね。」
「はは、それは僕も見たよ。」
「お兄さまは全部見て無いの?」
「さすがに多いからね、一本は十分程度だけど、全部見るのは直ぐには無理、興味の有るものから少しづつ見てるんだ。」
「でも、義兄弟姉妹のは少ないよね?」
「うん、これから毎日上げてくからね、今日のアップでは一郎兄さんと…。」
「お爺さまのがアップされてたわよ、春子姉さまの自慢話しばかりだったけど。」
「はは、でも、褒めて貰える娘の父親ということは分かって貰えるだろ。」
「うん、お父さまの印象が良くなると言うことなのね。
 お爺さまって…、そんなにお歳じゃやないからお爺さまって感じじゃないのだけど。」
「はは、お爺さんなら可愛い孫をどれだけ甘やかしても良いとか話して見えたよ、大輔さんには厳しかったみたいだけど。」
「へ~、そんな風には見えないよね。」
「春子姉さんと付き合い始めた頃が大輔さんにとっては反抗期の終わりてだったそうでね、小学生だった春子姉さんを気に入ってからは随分変わられたそうだよ。」
「小学生の頃の春子姉さまって想像が出来ないけど…、お爺さまは春子姉さまのことが可愛くてしょうがないって感じよね。」
「雅はどうしてだと思う?」
「美人だから…、だけでは無いのでしょ。」
「自分の考えをはっきり話すけど、適度に甘えてくれるからだと教えて下さったよ。」
「そっか…、初めて出来たお爺さまと言う存在とどう向き合えば良いのか分からなかったのだけど…、今度お会いした時には色々お話しさせて頂こうかな。」
「ああ、喜ばれると思うよ、雅は親父さんにとって初めての孫だからね。」
「そっか、普通は赤ちゃんが生まれて…、でも私は…、えっと…、お嫁さんの実家の子どもだからホントは孫では無く…。」
「はは、細かい事は気にするなよ、細かい事を気にしてると大物には成れないぞ。」
「ふふ、私は小物で良いのだけど…、でも春子姉さまみたいな人になりたいかな。」
「そうだね、でも、目標にするのは良いけど、雅は雅の個性を大切にして欲しいと思う。
 まあ、今のまま素敵に成長して欲しいね。」
「うん、絶望していた私に皆さんが与えて下さったチャンスなのだから…、素敵な市長の素敵な娘を目指すわよ。」
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