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黒川淳一-01 [F組三国志-04]

 あっ、時間か。
 えっと、名前を確認して…、黒川淳一、おっけいだ。
 名前を書き忘れたらやっぱ零点だよな…。

 は~、やっとテストが終わった。
 自分なりにがんばったけど、結果はどうなんだろう?
 中学の頃なら確実に上位って手ごたえなんだけど、この高校では甘くないだろうな。
 ま、やるだけやったからよしとしておこうか。

「淳一、どうだった?」
「おう、まあまあだな、一応、名前までの最終確認も出来たよ、徹は?」
「百点狙いだったけど、ちょっとな。」
「さすがに甘くはないわな、俺だって簡単に満点とは思えない。」
「でも、学年順位はそれなりになりそうだろ、他のクラスの連中はF組ほどやっていないみたいでさ。」
「ああ、テスト対策のレベルが違うと思うから結果発表は楽しみでもある…、他のクラスか…、それにしてもF組って。」
「何?」
「F組って一気に変わったと思わないか?」
「だよな、哲平から話しを持ちかけられたのは遠足の前だったか。」
「あの頃は森たちが岡崎とかいじめていたし、今から思うとクラスがばらばらだった。」
「きっかけは遠足か?」
「う~ん、省吾が秋山さんとつき合い始めたってことかもな。」
「確かにそうだ、委員長は四月からがんばってくれてた気がするけど、みんな協力的ではなかった、まあ俺たちも含めてだけど。」
「それが、遠足の前に省吾が哲平に声をかけて…、俺たちも動いたけど、クラスの雰囲気が急に良くなった。」
「うん、省吾の提案に皆が乗ったからな。
 学習をイベントとして楽しむ。
 まあ、ここに受かった連中だから出来た事だとは思うが。」
「だろうね、理解力や暗記力が無かったら勝負にならない、省吾ならイベントとして色々考えそうだけど。
 そう言えばさ、テスト直前になって梶田さん、お前らのチームに入ったろ。」
「ああ、どうして気が変わったのかは聞いてないけどね。」 
「それと関係しているのかどうか分からないが、彼女のお父さんの会社の建て直しに、省吾が関わるという噂を耳にしたぞ。」
「えっ、梶田さんは社長令嬢ってことか。」
「いや、徹、驚くのはそっちじゃなくてだな。」
「はは、冗談だよ、俺も聞いたよ、実際に動くのは大学生だとか。
 この後のホームルームで発表とかされるのかな。」
「どうだろう。」
「発表が無かったら、こちらから聞いてみようか?」
「それは梶田さんが気にするかも知れないから慎重にしろよ。」
「あっ、そうだな、また女子に怒られてしまう…。」
「それより、秋山委員長の事だけどさ。」
「ああ。」
「今まで、随分な仕事を任せて来たと思わないか?」
「それは否定出来ないな…。」
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