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市民政党-02 [シトワイヤン-02]

「確かに実戦で使われる武器が無ければ良いと思うが、抑止力という一面も有るよな。」
「ああ、経済的にも簡単には無くせない。」
「康太の言う抑止力は何となくわかるけど…、和馬は軍需産業を肯定するの?」
「全面的に擁護する気はないが、兵器開発が科学の進歩を進めて来た側面は残念ながら否定できない。
軍需産業だって、すでに大きな産業になってるだろ、武器を完全放棄したらどれほどの失業者が出ると思う、軍人だってそうさ、自衛隊は災害時に活躍してくれる貴重な存在だが、違憲だからと言って解散したら、雇用の場が大きく減る。」
「経済的な側面か…、軍隊ってないのが理想だと思うけど、歴史を振り返ったら存在して当たり前なのかしら。」
「まあ、色々な理由を付けて戦ってきたのが人間だからな。」
「皆さんは自衛隊を海外へということには違和感が有りませんか?」
「ああ、そもそも日本は、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない、だからな、とは言え国連のPKOに全く参加しないと国際社会では肩身が狭くなり、日本の発言力を考えたらマイナスになるのかもしれない。」
「そんな紛争には、国連が介入せず当事者が勝手にやってれば良いと思うよ。」
「だが、難民の問題が有るだろ、難民問題は日本にほとんど影響しないから日本人は気にもしていない、だが当事者たちは違う、極東の平和ボケした島国の住人なんだよ、俺達は。」
「地理的に難民が押し寄せて来る環境ではないのよね。」
「日本は入国する僅かな難民に対して厳しいのだよな。」
「飛行機での入国は諸外国の難民とは異質だと思います。」
「とは言え日本の外国人差別を甘く見て不幸な目に遭ってる人は少なく無さそうだね。」
「日本人さえ良ければという考え…、恥ずべき事です。」
「そうかな、基本的に自国民さえ、いや自分さえ良ければという人が、地球上の大半じゃないのか?」
「でも、日本人の国民性は違うと思うわ。」
「日本人だって利己主義だろ、でなけりゃ貧富の二極化は進まなかったし、それに伴う少子化だって進まなかった筈だよ。」
「そ、そうね…。」

それから、俺達は社会問題を検討してきた、清香も愛華も素直に調べ考えてくれる、出会った日の言葉通り真面目な人達、あっ、失礼、康太もだ。
俺達の学習会は、専門家から見ればとても幼稚なものに見えるだろう。
でも、国民の多くは似た様なものではないのだろうか。
浅い知識に対してマスコミからの偏った情報の影響、とは親父が良く口にする言葉だ。
俺の考えだって論理的に展開しているつもりでも、多くの人から偏っていると言われるかも知れないし浅いだろう。
でも、俺達は市民政党のささやかな可能性を考えてきたのだ。
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