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高松加奈-44 [化け猫亭-12]

「桜さん、他にも我が社で研修、雇用して再生出来そうな若者がいると思うのですが、手助けは難しいでしょうか?」
「う~ん、カウンセリングスタッフなどを増員しないとね。
本人に上昇志向が有れば、研修を通してスキルアップ、関係企業に就職や派遣という事は可能かな。
正規雇用だと、雇用機会均等法が関係して、募集時に年齢制限を掛ける事は出来ないのだけど…、若年層向けの講習という形から始めれば大丈夫だと思う、一応関係機関に確認を取ってからになるけど。
講習開始の時点では雇用関係を成立させず、無料講習という事で良いでしょう。」
「今、生活に困ってるという人は対象に出来ませんか?」
「そこは公的機関にお任せしておいて、実際にスタートしてから色々検討して行けば良いと思うわ。
とりあえず、学生でチームを組んで検討するね、講習を通して就職先を斡旋する体制は小夜と相談してみるわ。」
「は、はい、直ぐに動くという事ですか?」
「人材は不足気味、どの企業も優秀な人を欲しがっているの、ミスマッチで実力を発揮出来なかった人を掘り起こせるかも知れないでしょ、勿論優秀で無い人にも仕事は必要よ。」
「すでに考えていたのですか?」
「加奈の一言で閃いたの、本人次第では有るけど支援の手を差し伸べれば労働力になる人が、そのままなのは残念でしょ。」
「分かりました、予算は取れます。」
「講習に対する投資は、労働力として回収出来るかも知れないと、化け猫クラブのメンバーは考えるでしょう、当分赤字でも心配しないで、杉浦さんには私から話して調整しておくからね。」
「分かりました。」
「女神さまは、僕達をお守り下さいね。」
「はい?」
「児童養護施設出身の子が養護施設でボランティア活動を始めたと聞いたわ。
勢い良く拡大は出来なくても、女神さまの足元では少しずつ色々な活動が広がってるのよ。
ねえ、いっそ新興宗教を立ち上げたりとかはどう?」
「そんな事は出来ません。」
「良いじゃない、賽銭箱を置いとけば労せずして収入が増えるわ。」
「何のご利益も有りませんよ。」
「それを分かった上で寄付感覚でお賽銭を入れて貰う、う~ん、宗教法人のメリットを研究してみようかしら?」
「ややこしくなり誤解されそうです、私は、あくまでも株式会社として挑戦していきます。」
「まあそうよね、学生からの真面目な提案なのだけど。」
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