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大学-04 [高校生会議-08]

大学の初日、昼食と夕食はオフィスで済ませた。
今日は二十名ほどの学生に基礎研修を受けて貰った。
桜さんと忍さんは講師役を的確にこなし、オフィス担当になったのはその優秀さ故と感じさせられる。
私はその進行状況を確認しながらアドバイスをした。
それを八時で打ち切り、夜道をぞろぞろ帰りながら…。

「遥香さま、システムの噂は聞いていましたがすごいです、デザインをされたのは遥香さまなのですね。」
「えっ、まだ皆さんには、ほんの一部しか説明が済んでいません、皆さんのスキルが上がった段階でシステム管理部と開発部から担当を呼びます、本格的な研修はそれからになります。」
「そうなんだぞ、俺は遥香コーポレーションのシステムを体験させて貰ったから言えるが、君達が今日経験したのはほんの入り口なんだ。」
「沢井さん、御免なさいね、大学生社員はまだ制限を多くしてあるの、実際に社員が使っているレベルは…。」
「あ、は、失礼しました、自分舞い上がってます。」
「でも沢井君が羨ましいな、遥香さま、私は単位の関係で出遅れましたが、大学生社員になりたいです。」
「それは今後相談して行きましょう。」
「でも、なぜ遥香さまの指示が清掃だったのですか?」
「えっ、思っていたより意識が低いのですね、高校生会議のサイトにアクセスして学習して下さい。」
「遥香さま失礼しました、私は理解しているつもりです、この者にはしっかり教育させて頂きます。」
「お願いします、私はここへ遊びに来た訳では有りません。
ここでの仕事を通して次世代のリーダーを…、お父さまの尽力で本学は開校以来規模を拡大して来ましたが、それに伴って質は落ち気味との評価を耳にしております。
私が取り組む再構築はシステム中心で、学生自身を対象にする予定はないのですが…。」
「いえ、そこまでの事を遥香さまにして頂く訳には…、私共が国王様より叱責を受ける事になります、どうか一時の猶予をお願いします。」
「はい、忍さんがそうおっしゃられるのでしたら。
忍さん、桜さんと副長、メイド長は一時間ほど私の部屋でお話し出来ますか?」
「勿論です。」

桜さんの入れてくれたお茶を頂きながら。

「皆さんは企業に於ける整理整頓の意味はご理解頂けていますか?」
「はい、遥香さま、それは学生のうちから心に刻んでおかねばならない事なのですね。」
「高校生会議第十七支部では当たり前の認識になっています。
バイト実習を通して、その重要性を強く認識している高校生が就職し管理する現場と、整理整頓は上司に言われて仕方なくという大卒が管理する職場、説明の必要な人はいますか?」
「いえ、私は…、遥香さまの一言で目が覚めた気分です。
学内の美化は親衛隊が中心になって進めさせて頂きます、その意味を理解させて。」
「では、副長にお任せしましょう。
私がこの地に来たのは、大学の新しい形の構築を目指しての事です、それには協力者が必要なのですが。」
「遥香さま、私は自身のスキルを上げたいです、卒業が伸びても構いません、しばらく遥香さまのおそばにいさせて頂けないでしょうか。
講義以上の可能性を遥香さまに感じたのですが。」
「そうね、桜さんは私の為に色々準備して下さってましたから、お願いしたいです。」
「はい、何時でも何でもお申しつけ付け下さい。」
「それは駄目です、大学生社員として拘束時間、最大週四十時間を守って下さい。
四十時間の割り振りは桜さんが決めて下さって構いません。
それと、明日からも今まで通り、履修科目の講義を受けて下さい、私も同席させて頂きます。
明日は午後から講義でしたね。」
「あっ、はい、仕事以外の時間もお近くにいさせて頂けるのは嬉しいです。」
「では、明日の午前中は桜さんの講義スケジュールを入力、担当教官に私が同席する旨お伝え下さい。
明日には撮影機材が届きます、それを桜さんが講義を受けている時に使える人を探して下さい。
学生で見つからなかったら、私の方で手配します。
実際の撮影は再来週からにします。」
「分かりました、こういった事も遥香システムに入力ですね。」
「はい、まだ、登録者が少ないですが情報共有すれば、そうですね沢井さんが撮影機材に慣れた方をご存知でしたら、すぐに教えて頂けると思います。
その辺りは明日説明させて頂きますね。」
「はい、お願いします。」
「講義のテキストは…、メイド長が私のおサイフ係ですか?」
「はい、テキストは桜に聞いて揃えさせて頂きます。」
「お願いします。」
「忍さんは、明日の午後、オフィスでお留守番をお願いします。
明日は支社から一人来て貰いますので、システムの研修を受けながら、私の指示で登録に行く人がいたら登録と基礎研修をお願いします。
「分かりました。」

少し今後の目途が立って来た。
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